ドイツ・セキセイインコのペレット考 | とりきちTagebuch

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ドイツ・ベルリンから鳥好きの とりきちが、
一緒に暮らす鳥達、家族、ドイツの鳥事情を日記につづります。

皆様、いかがお過ごしでしょうか?
日本は梅雨が明けて、猛暑と聞いています。
ドイツは少し暑さが緩み、夜は寒いほどになってきました。

とりきちは毎日、来たる本格的なお引越しに備え、
荷物をまとめ、新居へ少しずつ運んでいます!

***

これからますます忙しくなることが予想されますので、
今日は、先日ご紹介した下記の本の、
気になる ペレット食 の部分をまとめたいと思います。
全訳ではなく、一部要約しています。


ご紹介本 (本の紹介記事はこちらです

「セキセイインコを理解し、種に合ったかたちで飼う」
ヴールシュレーガー・シェッティン, E. 著
 
《 栄養 - ある味覚の体験 》 182ページ~184ページより(一部要約)。

家で飼われているセキセイインコに、
正しく栄養を与えて育てることはとても大変なことです。

店頭で市販されている混合エサだけでは、
彼らがが必要とする栄養分は補給できません。
では、どうやって栄養バランスのよい食事ができるのでしょう?

飼料産業は、ある解決策を生み出しました。
ペレットです。
メーカーによると、ペレットにはまさに鳥が必要とする、
ビタミンなどの栄養素が、適切に凝縮した形で
含まれているとされています。

しかし、セキセイインコにとってペレットは未知の物体です。
もし彼らが選ぶことができるとすれば、間違いなく、
自然のシードを好むでしょう。

日頃から新鮮な野菜と、種類豊富なくシードを
大いに楽しみ、たまのサプライズの食事に
慣れたセキセイインコたちに、ペレットが入った皿を見せてみました。
すると彼らはペレットへ強い疑いのまなざしを向け、
食事するのをやめてしまいました。

研究調査の報告も、セキセイインコのシード嗜好を裏付けています。

ある調査では、日頃からシードに慣れたセキセイインコたちに
ある日突然、ペレットだけを食事として差し出しても、
全くといっていいほど食べなかったといいます(引用文献省略)。

同じように、今度はペレットに慣れ親しんだ鳥に、
ある日突然シードを食事として差し出さすと、
シードを食べるのを制止しても止めなかったといいます。

ペレットの写真の説明文
「人工的に作られたペレットは、それだけで食事として提供される
こともありますが、セキセイインコの主食として適してはいません!
ペレットはとりわけ健康というわけでも、美味しいわけでもないのです」

おそらく、セキセイインコには遺伝的にシードを
嗜好する傾向があるのかも知れません(引用文献省略)。
彼らの祖先たちがみな、自然界のシードを食べて生き、
彼らのクチバシや喉の部分が、それに合わせて
形成されていることを考えると、驚くことではないでしょう。

ペレットは、とくに健康というわけではないようです。
なぜならば、これまでにペレットの健康上の利点は
証明されていないからです。
(反対に、一面的なペレット食による消化能力の悪化など、
ペレットによる病気は報告されています。)

ペレットは自然のシードに比べると、格段に乾燥しているため、
鳥たちは、より多くの水分をとらなくてはいけません。
ペレットへの食事の切り替えは、これまで鳥たちが、
ペレットを認識して食べてこなかったことがもとで
リスクを伴なう場合があります。

事実、ペレットへの切り変えを強要された鳥が、
飢えてしまう例が過去に起きているのです。

ペレットだけをエサとして与えることは問題外です。
ペレットによる単調な食事は、セキセイインコから、
味覚に富んだ食事上の気分転換や、
かじったり、ついばんだりという楽しい営みを奪ってしまうからです。

自然のシードだけでは足りない栄養は、
毎日の様々な新鮮な食べ物からとることができます。
それらは栄養を補うだけでなく、
なにより鳥たちは味覚を楽しく体験できるのです。

以上です。

ドイツでは、日本と比べられないくらいの
豊富なシードがブレンドされ、販売されています。
なぜ、今回の内容のような記事が書かれるのかを実感しています。

さらに今回の記事でご紹介したような意見を
ベルリンで接するインコ好きさんだけでなく、
獣医さんからもよく耳にします。

次回のドイツの鳥事情の記事では、
ドイツ(語圏)での、シードへの考え方のページを、
今回の本の中よりご紹介したいと思います。

※とりきちは、ペレット否定派ではありません。
ペレットを試した経験がないため、シードとの比較ができていません。

現在、ペレット食、もしくはペレットへの移行をされている方で、
今回の文章で不快な思いをされた方が
いらっしゃいましたら、お詫びいたします。

記事をご紹介する意図は、あくまで、ドイツ(語圏)での、
ペレット食への考え方の一端を客観的にご紹介することです。

とりきちは、日本でペレット食がどの程度、
浸透しているのか知りたいと思います。
獣医さんにペレットを勧められる場合も多いそうですが、
科学的な実証があってのことなのでしょうか。
読者さんからのご意見、ご感想をお待ちしています。



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