銀色の摩天楼

ヒトかモノか分からない世界の中
破壊の狂気の沙汰が舞い上がって
震える恐怖が風のように吹き荒ぶ
凍り付くほど冷淡な視線が差す中
冷たい本気が刹那に心を捻り潰し
一生涯の消せない光景を焼き付け
弄くり回され忘却不能へと堕ちる
出口の亡い闇へ突き堕とされたら
現在形の過去に捕らえ尽くされる
忘れられない苦しみを刻み付けて
意図も容易く忘れ去って行く者達
冷酷な力が心の隅々に闇を孕ませ
悲観を植え付けられ厭世的に歪み
心の光を跡形も亡く消し去られる
生ける心の無間地獄にぶち込まれ
蜃気楼に覆われた闇の中に消える
烙印を押し付けて心ごと歪めたら
たった一夜で本来の道が改竄され
希望を心と人生ごと焼き払われる
僅かな栄光諸共生き地獄に覆され
何もかもが木端微塵にされ手遅れ
傷一つで人間の未来が捩じ曲がり
正義感の力は手駒に丸め込まれて
赤子の手を捻るも同然に扱われる
蠢く影に何処からか手を回されて
無数の心が奈落へと放り投げられ
簡単に灯火を吹き消して黄泉路へ
素早く心も存在も理由も改変され
何もなかったかのように事は済む
銀色の摩天楼が聳え立つ街の中で
人間より価値の重い紙の束が並び
紙切れ以下の尊厳は容易に嬲り者
意思は捩じ伏せられ裏では高笑い
闇の中では亡者が吼え続けている