紅い衝動

紅い衝動が身体を支配して
片手に握り締めた爀い刃で
幾度も衝動を堪え続ける中
未来を信じて現在に跑いて
どんな努力も無意味と化す
終焉の刻も分からないまま
螺旋状に続く苦悩の日々を
何も変わらない輪廻が嗤う
心も身体も悲鳴を上げる中
不幸しか齎せない必然の前に
幸福を求めて善意が崩れ去る
宿した想いさえも凶器になり
想いを叫ぶだけで人を痛める
与えられる物は苦しみだけで
想いなんて何もかも殺される
時が止まった日々の中で
救いは遠過ぎる先に待つ
永遠と辿り着けないまま
鮮やかになる孤独が踊る
独りで喜んで独りで身悶えて
のた打ち回って奇声を挙げる
絶望と希望が交互に廻る世界
余りに狂気に満ちた現実に
叫んでも誰も助けられない
現実の全てに憎悪を宿して
沸き上がる悲しみと虚しさ
何より現実を否認したくて
現実逃避の力が手招きする
苦痛に跑く爪痕が残る監獄で
運命を変えるのは諦めない力
殺戮の地で宿命すらも覆して
黒い十字架を背負って生きる
全てに耐え続ける先に光は映り
絶望と希望の果てに幸福は待つ
闇に侵された心を変えて魅せろ