LAST DAY

極月の夜を冬霧が包んで
木々に霧氷が付いたまま
冬空を千鳥が翔いて行く
世界は光と闇の螺旋で
闇の力は無尽蔵にある
闇の狩人が蠢いている中
いつでも悲劇は生まれて
世界に鳴り響いた悲鳴が
変わり無く輪廻している
闇の衝動が破滅を創り出して
幾つもの心を蒼く染めて行く
何が朽ち果てても足りずに
無慈悲に満ち溢れた現実だ
大年に光を狙っている影に
迷宮の闇路を彷徨い歩くまま
恐怖から人々は逃げ出せない
連なる日々が終焉を迎える刻に
天空でアテナが希望を煌かせる
全てを覆い尽している闇すら
輝き始めた光は止められない
現実を彩る色が変わって行き
人々の抱える逡巡が弾け飛ぶ
純白の心は眠ってしまうだけで
時の流れが失わせる訳ではない
だから思い掛けずに出てしまう
それは呼び起こせばいいだけだ
紅い刃で闇を斬り裂いて
暁闇の中を狼が走り出す
光と闇の割合なら対等に過ぎない
闇が目立ち易いだけで優劣は無く
人々の間近に大年神が迫っている
今日が絶望に堕ちた日々のLAST DAY