闇の時差

蒼い不安は後から襲い掛かる
紅い意志で貫いた果敢な行動
闇が不安と恐怖を引き連れて
時差で心に揺さぶりを掛ける
気を取られたら忽ちに餌食だ
暗い窓の外と鳴り響く雷鳴
勇気が砂になって崩れ落ちる
不安に思考が狂わされて行き
自分が抱える不幸を重くする
まるで自分が世界で一番不幸
周囲を見失って挙句の果てに
後悔の刃に傷を負ってしまう
否定の出来ない現実の可能性は
当人の意図と境界を設けられる
一歩ずつ迫る恐怖に心を喰われ
頭の中での理解が混乱して行く
漆黒の雨が降り頻る中
闇に掛けられた負担で
世界に皹が入って行く
自分の弱さで棘を撒いて
自分で状況を悪化させる
一つずつ希望を捨てて行き
暗闇に全てを失ってしまう
優しさに縋り付いてみても
傷付かずに強くはなれない
傷付いた数だけ強くなれる
鳴り響く不協和音の中
気不味いとは何だろうか
弱くても懸命に闘う健気さで
相手の明瞭な随一を望む者に
心が通い合わなかったと
疑う事が一番の悲しい事だ
堕とす為に闇が企んだ罠など
闇から眼が醒めて気付いた刻
捨てた希望を全て拾えば良い