秘めやかな堕天使

夜空に紅い月が煌く中を
秘めやかな堕天使が飛ぶ
その心は怪奇に満ちて
天使の仮面を被って
悪魔の心を伏せている
見透かしている孤高な心
周囲を蔑むかのような眼
騙っている事は偽り塗れだ
露見すると破滅の本性
咄嗟に放つ崩れた言辞が
誤解の種を蒔いている
それは時に難解なパズル
だからこそ感覚を好む
たった一つの望まれた台詞に
辿り着けないままで
必死に輪郭を回り続ける
それは不器用な鈍さ
優美な衣装が様になって
現実が着色されている
修羅を映す刹那に慄かせて
求められていない真実
銀狼が走り抜けながら
立ち並んでいる十字架
幻滅の扉を開けずに
本性の毒も効かない
何を見ているつもり?
その感じて放つ声は反響して
鏡を相手に何一つ通用しない
黒い羽根が舞い落ちて
心に宿している優しさは
知られる姿とは少し違う
秘めやかな堕天使は
混沌とした真実の中
本当は光を輝かせる