陽と月の光

漆黒の皹割れた牙城は
冷酷な醜さに満ちていて
蜃気楼が幻魔を覆い隠す
正義の名の下であるなら
争いも仕掛けられるから
迷宮のような社会で
戦慄が輪廻に走っている
街には雑踏が響き渡り
愚かな世界での祈りは
灯りに照らされないまま
叶う事がないのだろうか
潰されているだけなのか
夢の実現に運が付き纏う
矛盾に溢れた中を歩いて
好機を得ると言うのは
相対性理論以上に難しい
死に物狂いで努力しても
掴めないでなす術がなく
軸を見失って壊れた調和
片羽の旋律が鳴りながら
人々が後悔に暮れている
苦悩を選びたくはないけど
一つの成功を祝い続けると
自分への錘の褒美になって
固定観念への道標に繋がる
黄昏に陽が沈んで暗くなり
希望が堕ちて行くみたいだ
けれど未だ終わっていない
小夜を射す月が見え始めて
光明が昇って来るのだから
ズレてしまう進路を直して
時の秒針は止まらないから
生きる先に待つ不幸を超えて
輝く心と煌く志で駆け抜ける