魂の不滅または熟した果物は落ちる~『老年について』キケロ
―第92号「古典から始める レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記
★古典から始める レフティやすおの楽しい読書★
2012(平成24)年10月31日号(No.92)-121031-
魂の不滅~『老年について』キケロ
http://archive.mag2.com/0000257388/20121031120000000.html
今月の本誌では キケロ『老年について』 を取り上げています。
キケロの晩年の「老年論」であり、「幸福論」です。
本書の中で、キケロはプラトンの『パイドン』からその説を紹介し、魂の不滅・不死性を基に、人生の老年期を恐れることなく迎えられる、と語っています。
死は、熟した果物が地に落ち、自然に還ることである。
人間は、成熟し老年となるのであれば、何も恐れることはないのだ、と。
では、問題は成熟できなかった場合です。
(もちろんキケロは、成熟できなかった場合は悲劇となるので、だから若いうちに準備しておくのだよ、と若者相手に語っているわけです。)
私のように少年期から青年期、そして壮年期になっても、なんらこれといったことを成し遂げることなく、過ごしてきた場合です。
その場合は、どうなのでしょうか。
私の思うところは、本誌で書いていますので、そちらをご覧いただくとしましょう。
一言付け加えれば、終わりの日が来るまで絶対にあきらめないこと。
最後の最後の瞬間まで、決してあきらめることなく、努力を続けることでしょう。
だからと言って、努力が報われると決まっているわけではありません。
しかし、努力しなければ何事も始まらないというのも、事実です。
AKB48の総監督となった、たかみな(高橋みなみ)さんも同じようなことを言ってたかと思います。
その通りです。
人間は弱いものです。
しかし、少しならがんばることもできます。
その少しを「もう少し」に変えて行ければ、何かしらできることがあるのではないか、と私は期待するものです。
甘いかなあ。
でも、いいよね、少しぐらい甘くても!
人間は神様じゃないんだから。
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