NHKラジオテキスト「まいにちハングル講座」の口絵では、毎号「季節を楽しむ韓国料理」として、お料理やお菓子をエッセイを添えてご紹介しています。

2月号は薬飯약밥です。


韓国では古くから「薬食同源」という思想が根付いています。薬食同源とは毎日の食事を通じて心と体のバランスを整えるということ。つまり、たとえ心身のバランスが崩れた時も食事を通じてそのバランスを整えるということです。そのため、韓国には薬飯、薬酒、薬菓、薬水というように「薬」という字がつくものが多くみられます。

「薬飯」は、はちみつ、ごま油、干しなつめや栗、松の実などの滋養に富んだ食材をふんだんに使った、優しい甘さのおこわのようなものです。

一度の蒸した餅米に、醤油やカラメルソースなどを加えて混ぜ、味と香りをなじませてから再び蒸し返すことで、風味豊かな味わいに仕上がります。

旧暦の新年の最初の満月の日、旧暦の1月15日はテボルム대보름という名節です。
テボルムには、1年の無病息災を願って薬飯を用意します。
そのほか、腫れものができないように、そして、木の実を噛む音が邪気を退けると言われることから、殻の堅い木の実を食べる習慣があります。



今年のテボルムは2月22日です。
テボルムには、薬飯を作って冬のお月見を楽しんでみてはいかがでしょうか。