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低用量ピルの服用期間が長ければ長いほど
服用中止後の妊娠率は高くなる


「ピルを長期間服用すると妊娠しにくくなるのではないか」と心配ですか?

2013年にHuman Reproductionという医学雑誌に発表されたデンマークでの研究(前向きコホート研究)を紹介します。

2007年から2010年の間に、18~40歳の3727人を対象に、妊娠するまで、または12ヵ月が経過するまで、2ヵ月毎に観察された結果です。

低用量ピル(OC)服用期間が長いと、OC中止後の妊娠率がよくなる
 OC服用が2年未満の女性の妊娠率に比べて、服用2~3年の女性の妊娠率の比は0.98(0.83~1.15)、服用4~5年の妊娠率の比は1.16(0.98-1.37)、服用6~7年では1.10(0.93-1.29)、服用8~9年で1.17(0.99-1.38)、10~11年で1.23(1.04-1.46)、12年以上で1.28(1.07-1.53)でした。カッコ内の数字は95%信頼区間です。
 比が1を超えるということは、OC服用2年未満の女性よりも妊娠しやすいということです。服用4~5年で比が1を超えます。ただし、95%信頼区間の数字が完全に1を越えるのは服用10年以上の場合です。

晩婚化とピル
 年をとるほど妊娠しにくくなります。デンマークの研究結果は、同じ30歳でも、20歳から低用量ピルを服用していた女性の方が、そうでない女性よりも妊娠しやすいかも知れない、という結果です。「結婚前にピルを長く服用していた方が妊娠しやすい」ということです。
 年をとって妊娠しにくくなるのは、卵子の老化、卵胞数の減少などのせいです。低用量ピルを服用していると卵巣予備能の指標「抗ミュラー管ホルモン」の値が低下しないで安定するという報告があります。そのため、低用量ピルは卵巣予備能低下を抑制しているのではないかという考えがあります。

子宮内膜症の可能性がある女性は、低用量ピルを服用するのがよい
 晩婚化によって、時が経つほど子宮内膜症が進行して妊娠しにくくなる可能性が高くなります。低用量ピルを結婚前に長期間服用することによって子宮内膜症の進行を予防することができます。
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前置胎盤も怖いけれど
前置胎盤じゃない癒着胎盤は
予測不能だからもっと怖い

癒着胎盤とは
 癒着胎盤とは、胎盤が子宮内面の筋層に強く付着しているために、容易には剥離できない状態のことです。正常の胎盤では子宮筋と胎盤の間に脱落膜という膜が介在しているのに対して、癒着胎盤ではこの脱落膜が欠如していて胎盤が筋層の中に食い込んでいるため、胎盤は自然には剥離しません。

前置胎盤とは
 胎盤が通常よりも低い場所にあって、胎盤の一部が内子宮口を覆っている場合に前置胎盤といいます。全ての前置胎盤には癒着胎盤の可能性があり、特に帝王切開歴があるとその可能性が高まります。

 前置胎盤は大出血を引き起こすので怖いですが、あらかじめ診断がついているので、癒着胎盤の可能性を考慮して輸血の準備、人員の準備、こころの準備などができます。

前置胎盤じゃないのに(非前置胎盤、常位胎盤)、胎盤が出てこないとき
 普通、赤ちゃんが生まれた後、数分から5分以内には胎盤が出てきます。
 しかし、30分以上たっても胎盤が出てこないことがあります。こういう場合のほとんどが「付着胎盤」という状態です。癒着胎盤ほど強固に胎盤がくっついていないけれども、まあまあ強めに付着しているために自然には剥離しない状態です。自然に胎盤が出てくるまでひたすら待ってもいいのですが、胎盤の一部が剥がれると出血し始め、時間がかかると多量出血になるので、用手的に胎盤を剥離します(胎盤用手剥離)。胎盤用手剥離とは、通常、麻酔をして(麻酔しないと物凄く痛いので)子宮内に手を入れて胎盤を剥がす処置のことです。

胎盤用手剥離を開始、
1. 付着胎盤なら
 a. 付着胎盤なら、用手剥離で、まあまあ簡単に胎盤を剥がすことができます。
 b. 付着胎盤でも用手的に胎盤が剥がれにくい場合があります。そして、やっとの思いで胎盤を剥離した後に結構な量の出血があります。

2. 癒着胎盤なら
 胎盤用手剥離は不可能です。もし、無理に剥離しようとしても必ず胎盤の一部が子宮内に残ります。大出血します。

常位の癒着胎盤は非常にマレです。付着胎盤は、さほどマレではありません。

去年、久しぶりに経験した怖い胎盤用手剥離
 30分、1時間以上たっても胎盤が出ないので、いつものように胎盤用手剥離を行います。
 なかなか剥がれません。用手剥離のときは常に癒着胎盤を意識しています。無理をすれば大出血するからです。
 慎重に剥離して、ごく一部、せいぜい10円玉くらいの範囲がくっついているだけのところまできました。無理は禁物です。そーっと胎盤と子宮の間に指を入れます。剥がれます。無理はしていません。ほぼ剥がれました。指先にタコ糸のような感触があり、まだ糸状にほんの2本だけつながっています。指にわずかに力を入れてこの糸を切りはずしたら終了です。うまく糸が切れて胎盤が出てきました。
それと同時にツーっと血液が流れてきます。
 予想に反して出血の量が多いです。点滴全開、子宮を上下にはさんで止血を図ります。救急隊が到着するまでの10分少々が非常に長い。麻酔が覚めきっていないので、意識レベル低下があっても出血のせいかどうか判定しにくい。昇圧剤によって血圧は何とか最低レベルを維持できているが、このまま出血が止まらなければ10分ももたないかも知れないだろう。手の力を抜いたら出血が増えそうで、一瞬たりとも力を抜けない。
・・・
 結局、搬送先の病院に到着した頃には状態も落ち着き、事なきを得ました。

タコ糸サインは要注意
 胎盤用手剥離の際に「タコ糸サイン」があったら無理しないように。タコ糸のような組織は、おそらく胎盤に癒着した子宮筋だと思います。「タコ糸のような組織を数本切っただけでも大出血する」というのが今回学んだ教訓です。
「タコ糸サイン」は私の造語ですが、同業者に話したらえらく受けました。
 
お産に関する怖い話は多いです。結果がよければ笑い話にもなりますが、天国と地獄は紙一重。
怖い話ばかり続くのも精神衛生上よくないので、本連載は今回で一応終了としておきます。
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敗血症とは
 敗血症とは、細菌感染が全身に波及した状態です。 治療しないとショック、DIC、多臓器不全などを起こして死に至ります。治療をしても救命できるとは限りません。

妊娠中あるいは産後の敗血症
 抗生剤がなかった時代には、産後に敗血症を起こして(産褥熱)命を落とす母親がたくさんいました。

現代では、妊娠中や産後の敗血症を起こす母体は非常にマレです。
しかし、医療の発達した先進国で、敗血症になる母体の頻度や敗血症による母体死亡の頻度が最近増加しています。これは、世界的な傾向です。

 2006~2008年のイギリスの報告によると、母体敗血症による死亡率は10万人当たり1.13人です。そして命に関わるような重症の母体敗血症であった例は死亡例の50倍くらいあります。つまり10万人当たり50人の母体が生きるか死ぬかの集中治療を受け、1人が死亡、49人がかろうじて助かったということです。
 アメリカの母体敗血症頻度も2003年から最近の間に倍増しています。オランダからも同様の報告があります。

母体敗血症の症状
 一般的には、下記の症状・所見があれば臨床的に敗血症と診断します。
1. 体温が38℃以上または36度以下
2. 心拍数が毎分100以上
3. 呼吸数が毎分20以上
4. 白血球数が17000/μl以上または4000/μl以下

 産後の敗血症の原因としては、子宮内感染、尿路感染、乳腺炎などが多いと思われますが、原因を特定できない感染例もあります。
 原因菌としては大腸菌が最も多いのですが(約20%)、A群連鎖球菌(GAS)による敗血症は急速に進行してショックに陥り、致死率も高いです。A群連鎖球菌(GAS)によって敗血症ショックになった例の50%が出産後2時間以内にショック状態になったという報告もあり怖ろしいです。

母体敗血症は産科救急疾患の一つ
 敗血症から敗血症性のショックを起こすと死亡率が高くなります。敗血症が疑われたらできるだけ早く治療を開始することが大切です。敗血症のことを英語でsepsisというのですが、世界的に有名な「Surviving Sepsis Campaign 」ガイドラインというものがあります。直訳すれば「敗血症からの生還キャンペーン」ガイドラインです。この中の指針によると、敗血症が疑われて入院してから1時間以内に高用量の抗生剤を経静脈投与すべきとなっています。母体敗血症は産科の「救急疾患」です。いかに早く適切な治療を開始するかで、その後の患者さんの運命が変わります。
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静脈血栓・塞栓症

妊娠すると血管が詰まりやすくなる
 妊娠すると血液が固まりやすくなります(血液凝固能亢進)。また、妊娠中は静脈血がうっ滞しやすくなるので、深部静脈血栓・塞栓症になるリスクが妊娠前の4~5倍に、動脈血栓・塞栓症(脳卒中、心臓発作など)になるリスクは3~4倍になります。出産後(産褥)は血栓・塞栓症のリスクはさらに高くなり、20倍になるという報告もあります。

発展途上国での母体死亡の主な原因は大出血です。
 人間のお産にとって、大出血は怖しいことです。大出血を防ぐために、妊婦さんの血液は固まりやすくなっています。また、妊婦さんの血液は妊娠前よりも40~50%多く、少々出血しても問題ないようになっています。

先進国では血栓・塞栓症が母体死亡の主な原因の一つです。
 先進国では大出血に対する処置や予防が進んでいます。そのため、大出血による母体死亡の割合が減り、血栓・塞栓症が母体死亡の主な原因の一つになっています。

 妊娠中の血栓・塞栓症の頻度は、静脈と動脈合わせて1000人に2人くらいです。静脈血栓8に対して動脈血栓2の割合です。深部静脈血栓症は母体死亡の原因の約10%を占めます。出産10万回に1回の割合で母体死亡にいたるような深部静脈血栓症が起こります。

 妊娠中の静脈血栓・塞栓症の80%は深部静脈血栓症、20%は肺塞栓症です。深部静脈(骨盤内や下肢深部の静脈)の血栓が剥がれて、右心室を経て肺動脈につまった状態が肺塞栓です。

妊娠中の静脈血栓症の特徴
 エコノミークラス症候群や低用量ピル服用中に起こる血栓症の場合、最も多いのはフクラハギの痛みで始まる血栓症です。ピル服用中に、小さな血栓が膝の裏の静脈につまっただけの軽い血栓症ならば、ピルを止めるだけでも治ります。
 妊娠中や産後の血栓症は、大きな血栓が骨盤内の太い静脈(下肢から下大静脈につながる静脈)につまることが多いです。突然、左下肢(左に多いのが特徴)に激痛を覚え、足全体がむくんだりします。 

肺塞栓症
 妊娠中や産後の肺塞栓症の半数は、下肢の血栓の症状がないまま、いきなり息苦しくなるなどの呼吸器症状で発症します。既に肺血栓ができていても症状がない場合もあり、血痰、胸痛、呼吸困難という典型的な3症状を示す例はたった20%くらいです。
 1990年代の古いデータですが、急性の肺塞栓症を治療しないと30%の死亡率、治療例で3%の死亡率です。

こんな人は要注意
1. 妊娠前に血栓・塞栓症になったことがある人
2. 血栓症になりやすい体質(栓友病)
3. 糖尿病、高血圧、SLE、肥満、喫煙者など
4. 帝王切開後 など

 帝王切開後は、歩けるようになるまでベッド上で何回も足の甲を上下に動かして下さい。そうすると、フクラハギが収縮・弛緩を繰り返すので血栓症の予防になります。
 
産後はできるだけ早くから歩き回るのがよいと心得ておきましょう。
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子宮内反症とは
 正常ならば、赤ちゃんが生まれた後、しばらくしてから子宮の内側にへばりついていた胎盤が剥がれて出てきます。子宮内反症とは、胎盤が剥がれないまま、子宮の内側の壁が裏返しになって外に出てくる異常です。
 非常にマレですが、大出血の原因となる病気です。母体死亡の原因の一つです。

子宮内反症の診断は簡単そう?
 子宮内反症は単純な異常なので、何となく簡単に診断できるような気がしませんか?
 どんな産婦人科医でも子宮内反症がどんな病気かは知っています。ところが、初めてこのマレな異常に遭遇したら、すぐに診断できる医師は少ないようです。

私が始めて経験した子宮内反症
 産婦人科医になって数年たった頃です。私の場合、先輩から聞いていた子宮内反症の経験談と、その場の嘘のような状況に助けられました。

先輩の経験談とは
 大学病院の、まあまあ経験のある医師たちによると、最初は、胎盤が出た後に子宮筋腫が出てきたようにみえたらしいです。子宮の外に出ている部分が筋腫のようにみえて、超音波検査をしても確かに筋腫のようであり、開腹手術をしたということです。子宮の内腔側にできた筋腫が子宮の外にぶら下がって出てくることはよくあり、筋腫分娩といいます。ただし、出産時に筋腫分娩が起こることはほとんどありません。開腹して、おなかの中をみて、子宮内反症であることがわかった例です。

 さて、その日私は、とある産婦人科医院で当直の仕事をしていました。助産師さんは60歳を優に超していそうな経験のある方です。赤ちゃんが生まれて、胎盤が出るのを待ちます。助産師さんが少しヘソの緒を引っ張るので「そんなに引っ張ると子宮が内反しますよ」と冗談めかして言った矢先の出来事でした。胎盤が出たのと同時にみたこともないようなものが出てきました。一瞬、筋腫のコブが出てきたのかと思いました。わずかな間でしたが思考がフリーズしました。自分自身で子宮内反という言葉を発していなかったらすぐには診断できなかったかも知れません。はっきり言って、本当に筋腫が出てきたと思ったからです。ただ、筋腫にしては、何でこんなに赤いんだろうと思いました。
 すぐに奥で休んでいらっしゃった院長先生を呼びました。院長先生もびっくりされたと思いますが、その後の処置は早かったです。手を子宮の中に入れて子宮の形を戻すのですが、子宮が強く収縮しているとうまく戻りません。処置が早ければはやいほど簡単に戻ります(たぶん)。処置後の出血も大したことなく、何事もなかったかのようにお産が終わりました。

子宮内反症の処置は早いほどよい
 子宮内反症の診断・処置が遅れると母体死亡率が高くなります。しかし、素早い処置ですぐに整復できる例は多いです。ある報告によると、子宮内反症の頻度は6,400人に1人、11例の子宮内反症があり、その内9例で直後の整復に成功したとのことです。
 処置が遅れて内反したままの状態が続くとダラダラと出血が続きます。処置が遅れると子宮が収縮して整復困難になります。開腹して子宮を直さなければならないという事態に陥ります。

私の子宮内反症予防法
 私は胎盤が出る前に子宮のテッペンを触るようにしています。これまでに3回くらい、子宮の上側(底部)がペコンと凹む例を経験しました。「子宮がペコンと凹んだらすぐに胎盤を出さない」というのが、私の子宮内反症予防法です。
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