前回の続き:


前回「スマホを長時間使用し、勉強や日常生活に悪影響が出ている」という点について
「まずお子さんの置かれたネット環境の現状を知りましょう」ということを
お伝えしました。

今日は「ではどうやってスマホ中毒を辞めるか」についてお答え致します。


お返事:


何かに対して(スマホ、ネット、その他何度も繰り返されたりする行為)
中毒と言って良いほどのめり込んでいる場合の対応法です。(あくまで一例となります)
今回はスマホについて言及します。


① ベースラインを取る


ベースラインとは「どんなとき、どのくらい使用しているか」のデータのことです。


一日の記録を取り、それを最低でも一週間ほど取るようにします。


「スマホを手にしている時間」という定義でデータを取ります。
厳密になり過ぎないで結構です。大体で構いません。
できたら、お子さん自身に取ってもらうのが好ましいですが、
無理な場合は親御さんにやって頂けたらと思います。


データを取った際、思ったよりも使用時間が「少ない」場合があります。
日によって3時間のときもあれば、ほとんど使わない日もあるかもしれません。


その場合は、日常的な使用の範囲と捉えられる場合があります。
お子さんと言えどもいち個人です。
適正な使用であれば、「ちゃんと自分で決めて使えているね」と一声かければ
いいでしょう。


データを取ってみても、明らかに使用時間が長時間の場合は次に移ります。


② ベースラインを元にお子さんとお話をする


データを元に、今のスマホの使用時間と、
それによって起こっている悪影響を事実のみ伝えるようにします。


ここでは「提案」の意識を持つことが大切です。


「長時間使っている、だから成績が落ちるんだ。辞めなさい!」では
反発を招くだけで、より依怙地になり隠れて使用するようになります。


「最近朝起きづらいはもしかしてスマホのやり過ぎじゃないかな?
一日このくらいつかってるみたいなんだけどどう思う?」
というように、本人にも使用時間を確認しながら話すようにしましょう。


また動画を見ているのか、LINEをしているのか、ネットサーフィンをしているのかについても
お聴きするようにしましょう。


くれぐれも勝手に中を見ようとしないことです。
見たら最後、もうお子さんの信頼を得ることはできません。
お子さんのプライバシーも尊重しながらの気持ちが大切です。
きちんと尊重すると、どんな使用方法なのかも教えてくれます。


③ お子さんの気持ちを聴く


スマホを長時間使うお子さんは、何かしら個人の悩み等が隠されていることがあります。


他に楽しいことが見つからない
学校の友達に嫌われるのがとても怖い
ネットの中にしか友達がいない


そういった思いを現実の場に吐き出すことができず
スマホの世界に入り込んでいると言えます。


お子さんの気持ちもお聴きするようにしましょう。

この聴くことはとても大事なことなので、
順番としてトップに来てもいいものです。


④ お子さんと協約する


親御さんだけが「辞めろ」と言っても効果はありません。


しっかり話し合い、お子さんも「確かに長い時間使っているな」
と受け入れてから、ルールを作るようにしましょう。


最初は厳しすぎないことが大切です。


一日5時間使用している人がいたら、
まずは4時間に減らす、ということからです。


この場合もデータを取ると効果があります。


この際、ただ「1時間減らそう」ではなく、
具体的に、この時間とこの時間は使ってもいい、と決め、
それ以外の時間はスマホを手放せるように一緒に環境を作って行きましょう。


たとえば、何時から何時までは読書タイムにしよう、
お母さんとお話タイムにしよう、テレビタイムにしようというようにです。


最初のうちはお子さんもスマホが気になって仕方がないでしょう。


ただ継続することで、だんだん短い時間の使用にも慣れるようになります。



⑤ フィードバックをする


データを取っているとうまく行く日と行かない日が出て来ます。
できた日はちゃんと言葉に出して努力を認めるようにしましょう。


うまくいかなかった日は、
「今日はちょっと多かったね。何があったかを一緒に考えてみようか」
と改善策を考えるようにします。


⑥ レベルを上げて行く


最初は一日4時間だったものを、段々とレベルを上げて行きます。


次の週は3時間、その翌週は2時間というようにです。


ただ極端にならないようにしましょう。


たとえば「一日10分まで!」とすると
これは現実的ではありません。


LINEにおいても、実際お友達と話しをしなければならないときもあります。


使用時間の適正時間としては多くとも1~2時間程度ではないかと考えます。
このレベルに落ち着くようにしていきましょう。


⑦ その他注意事項


こういったやり方は、すぐにできるわけではありません。


時間制限をすることで「バースト」と言って、
ある日めちゃくちゃ遣り過ぎる場合もあります。


しかしながらそれも改善の「通過点」です。


闇雲に怒るのではなく、
「そんな日もあるよ。また明日からやってみようね」
と励ましながら進めて行きましょう。


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中毒性のあるものに関しては、もちろん荒療治もあります。
たとえばスマホを目の前で水に浸けて潰してしまう場合です。
ただ、これはお勧めしません。なぜなら
スマホは使わなくなるかもしれないけれど、
また違う道具に中毒化することがあるからです。


いたちごっこになります。


さらに一つのことに過剰にやり過ぎてしまう方は、
今後の人生に置いても何かにはまりすぎてしまう場合があります。


先のことを見越した上で、
「どうやったら離脱できるか」を学ぶチャンスでもあります。


これも一つのいい「機会」として、
一緒に取り組み、「やめる手順」を学ぶようにしてみましょう。

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