・堂々と共産党批判を始めた中国の市民達 ~第二の天安門は近い~ | アジアの真実

・堂々と共産党批判を始めた中国の市民達 ~第二の天安門は近い~

共産党・政府への直接批判も 中国各地で反日デモ:朝日

 中国西部の甘粛省蘭州と陝西省宝鶏で24日、日本への抗議デモがあった。地元住民らの目撃情報によると、蘭州では100人以上の若者らが「日本製品ボイコット」などと叫んで行進。宝鶏では約2千人の若者らがデモに参加した。「多党制を導入せよ」「住宅が高すぎる」といった横断幕も掲げられ、中国共産党・政府を直接批判する訴えが現れ始めた。

 23日には四川省徳陽でデモが起きており、中国当局はデモ封じ込めに各地で厳戒態勢を敷いたが、収入格差などの問題が深刻な内陸部の中小都市で2日続けてデモが起きた形だ。反日に紛れて、当局への不満も噴出し始めた事態に、指導部は極めて神経をとがらせているとみられる。

 宝鶏は16日にデモがあった陝西省の省都西安から西に約170キロにあり、人口370万人。鉛生産が盛んな工業都市だが、沿海部の都市に比べると収入水準は低い。役人の腐敗や不動産価格の急激な上昇に対し、市民からは不満の声が出ているとされる。

 目撃者によると、デモ隊は反日スローガンは赤色の横断幕、中国政府への批判などは緑と青の布と区別して行進を始めた。共産党の一党支配体制への批判のほか、「馬英九(台湾総統)、大陸はあなたを歓迎する」との文言もあったという。治安当局は横断幕を没収。数名が連行されたとの情報もある。(後略)


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 中国での反日暴動・デモは中国国内向けの怒りを表現する場となり始めているようですが、その中で驚くべき内容がありましたので取り上げてみたいと思います。上記記事では軽く書かれていますが、「多党制を導入せよ」などという横断幕を持って町中をデモ行進するなどということを堂々と一般市民がやるようになったということは、大変驚くべき変化だと言えます。


 共産党による一党独裁体制の維持こそが中国が最も重要で死守しなければならない事柄です。これを批判するような事は、中国では最大限のタブーであり、例えネット上であろうともこの種の発言は、中国においては厳重に統制されています。中国最大の民主化運動となった天安門事件が中国ではなかったこととされ、インターネットでは一切の情報を見ることができないことは皆さんが知るところです。さらに、先日ノーベル平和賞を取った劉氏も民主化運動を行ったために投獄されている人物です。

 このように中国当局が最も敏感なこの問題について、市民がデモレベルで共産党一党独裁を批判し、多党制という民主化要望と同意の横断幕を堂々と掲げるとは、中国において大きな変化が起きていると言えるかも知れません。情報統制を行っているとは言え、これだけインターネットが発達した現代においては限界もあります。また、中国から外に出る人も多くなってきました。日本や欧米などで、自由で統制されていない情報に触れ、考え方が変わった人も少しずつ増えてきたかもしれません。また、中国国内では自由主義経済導入と社会主義、そして経済格差による矛盾に対する、国民の臨界点が近いのかも知れません。


 今回のデモで共産党批判の横断幕を掲げた人は、やはり連行されてしまったようですが、市民レベルでこのような共産党批判が堂々と行われたという点は見逃してはいけないポイントです。天安門事件のように、中国国民が爆発する時は近いかも知れません。



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参考書籍:
天安門事件から「08憲章」へ―中国民主化のための闘いと希望
劉 暁波 劉 燕子
4894347210


趙紫陽 極秘回想録 天安門事件「大弾圧」の舞台裏!
趙紫陽 バオ・プー ルネー・チアン アディ・イグナシアス 河野純治
4334962106