・辺野古案回帰を正式表明も地元は拒否 ~それでも沖縄県民に歓迎されていると思っている鳩山氏~
「辺野古は断固反対」名護市長、首相と会談:読売
鳩山首相は23日昼、名護市内で稲嶺進・同市長ら沖縄北部市町村長と会談した。稲嶺市長は、首相が米軍普天間飛行場を名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブに移設する方針を正式表明したことについて、「『ようこそ』という気持ちにはとてもなれない。これまでの思いを裏切ることで怒りを覚える。断固反対する」と述べ、受け入れを拒否する考えを表明した。
これに対し、首相は「私もかつては『辺野古の海を汚してはいけない』という思いで頑張ってきた。『できれば最低でも県外』といったのは事実だ。みなさんの気持ちにそえない結果になっていることをお詫びしたい」と陳謝した。その上で、「稲嶺市長が『認められない』と言われたのも理解している。訓練移転を含め、負担軽減を考えていきたい」と述べ、改めて名護市への移設への協力を要請した。
普天間移設問題に関して、とうとう鳩山首相が自民党案と全く同じ辺野古案に戻すことを正式表明しましたが、自民党とは合意していたはずの案でさえ地元に拒否されるという、5月末決着どころかもう滅茶苦茶な状態になっています。
政府は、5月末までにアメリカとの共同声明を発表することで、5月末決着を偽装しようと考えているようですが、首相自らが発言した内容にはほど遠い状態です。
目的:
・県外移設→×
5月決着の3条件:
・地元との合意→×
・与党内合意→×
・アメリカとの合意→△
鳩山氏は、これらの目的や5月末3条件について、”職を賭す”と明言しています。この無茶苦茶な状態のまま5月末を迎えることについて我々国民は、鳩山氏の責任について厳しく追求する必要がありますが、そもそも自分の言ったことをどこまで覚えているかさえ非常に疑問であり、追求するだけムダのような気もしてなりません。
そんな中、こんなニュースが入ってきました。
鳩山由紀夫首相は4日の初来県後、周囲に「自分はそんなに反対されたとは思わない」との感触を漏らしている。周辺によると「首相はむしろ歓迎されたと思っている」という。
4日は県庁前広場をはじめ、首相が立ち寄る各地で抗議行動が起きていた。しかし首相は「どこでも、同じ人が集まっている印象がある」と感じ、「車で走っているときは(沿道で)みんな手を振ってくれている。ほかの県を訪ねたときと比べてそれほど嫌われているとは思えない」と話しているという。
このエピソードを聞いた与党議員は「宇宙人にもほどがある。本当に石を投げないと分からないのか」と吐き捨てるように話した。
もはや鳩山氏の頭の中は、発言がぶれるという程度の生易しいレベルの問題ではないことを強烈に痛感させてくれるニュースでした。この人物が我々の国のトップにいるという現実が恐ろいです。
参考書籍:
民主党政権崩壊へ――日本の混迷、没落を許す国民に未来はあるのか?(OAK MOOK 338 撃論ムックvol.26) (単行本) (OAK MOOK 338 撃論ムック 26)
西村幸祐