・「選挙中の発言は守らなくても良い」「機密費はやはり非公開」~民主党に一貫した政治理念などない~ | アジアの真実

・「選挙中の発言は守らなくても良い」「機密費はやはり非公開」~民主党に一貫した政治理念などない~

“選挙中の発言、公約でない”岡田外相 思わずポロリ:赤旗

 「公約と(鳩山首相の)選挙中の発言とはイコールではない。公約というのはマニフェストだ。あえてマニフェストには普天間という言葉を書かなかった」――。

 岡田克也外相が日本共産党の笠井亮議員の沖縄・米軍普天間基地をめぐる追及に思わず発した答弁。「県内移設容認」を見越していたのだといわんばかりの発言でした。衆院第1委員会室が騒然となるなか、笠井氏がすかさず「有権者は何を頼りにして政党と候補者を選ぶのか」と批判したのは当然です。

 興味深いのは、民主党が野党時代にとっていた態度です。

 たとえば「消えた年金問題」。安倍晋三首相(当時)が2007年7月の参院選で「最後のお一人に至るまですべて記録をチェックする」とした約束が実現不可能となったとき、自民党の町村信孝官房長官(当時)は「選挙中ですから、簡略化して物をいってしまっているところが確かにあった」などと言い訳しました。

 これに対し、民主党幹事長だった鳩山氏は「許せることではない、国民をバカにしている。徹底的に追及する」(07年12月)と表明し、簗瀬進参院国対委員長(当時)は「民主主義の本質を理解していない。選挙の時の言葉だからこそ重い。暴論である」(同前)とまで述べ、党をあげて批判していたのです。

 民主党にとって、「民主主義」の本質の理解は、与党のときと野党のときで正反対になってしまうのでしょうか。


機密費の使途公開を拒否=平野官房長官「わたしを信頼して」
 平野博文官房長官は5日午前の記者会見で、官房機密費(内閣官房報償費)の使途について「相手のあることであり、オープンにしていくことは考えていない」と述べ、公開しない考えを示した。民主党は野党時代、機密費の透明性を確保するため「機密費改革法案」を国会に提出した経緯があるが、政権獲得後に対応を転換したことで、整合性が問われそうだ。
 平野氏は機密費の運用について「国民から疑念を持たれないよう、担当であるわたしが使途について責任を持って使っていく」と強調。適切な運用をどう担保するのかとの質問に対しては、「わたしを信頼していただきたい」「(可能な部分は)会計検査院のチェックも受けている」などと述べた。
 民主党が使途公開を求めていたこととの整合性については、「過去そう言ってきたことは事実だが、現実にわたしがその職に立ったときに、報償費という性格上、相手のあることだ(と認識を改めた)」と釈明した。 
 平野氏は政権発足直後の9月17日の記者会見で、機密費について「そんなものあるんですか。全く承知していないからコメントできない」と述べていた。しかし、5日の記者会見では、政権発足前後に河村建夫前官房長官から引き継ぎを受けていたことを認めた。


 選挙中に言った言葉は公約でないから守らなくても良い。外務大臣である岡田氏が言ったこの言葉は、民主党が野党時代、「民主主義の本質を理解していない。選挙のときの言葉だからこそ重い。暴論であり徹底的に追求する」と鳩山氏が言った言葉と完全に矛盾しています。

 また、機密費等という物は許せない。用途を明らかにし、透明性を確保すべきだと主張し、機密費改革法案なるものまで提出した民主党でしたが、いざ与党になってみると、そんなものありましたっけ?ととぼけた上に、オープンにすることなどできないとまた野党時代と180度違う言動を見せています。


 正直見ていておもしろいほど野党時代の言動と整合性がとれていません。さらに驚くべきは、鳩山氏をはじめとし、民主党議員の大半がそれに気付いてすらいないということです。それもそのはずで、民主党が野党時代にやっていたことは政治ではなく、「何だっていいからとにかく自民党を批判すること」であり、民主党の行動基準は、「自民党がやることはいいことであろうと悪いことであろうと関係なくとにかく批判すること」この一点のみでしたから、民主党に一貫した政治理念など最初から存在しないのです。そんなものは存在しないので、自分の言動が前と違っているということが理解できないのでしょう。

 

 最近は、民主党の体たらくぶりに批判的なコメントをするマスコミも多少出てきたようですが、TVなどでは、批判的な意見に対して「まだ発足して2ヶ月足らず。長い目で見てあげるべきだ」と強い口調でコメントする人が多いようです。既にそんなことを言っている場合ではないのは、これらの言動で明らかなのは言うまでもありませんが、当初からは下がったとは言え、こんな党が依然として支持率60%の高水準を保っているのがこの国が異常な状態にあることを如実に現しています。


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参考書籍:
迷走日本の行方――内閣支持率70%?!死に至る日本の病と新政権(OAK MOOK 308 撃論ムック)
西村 幸祐
4775514334