・管氏の発言と千葉法相の暴走 ~民主党は行政・立法・司法の三権の上に立つという思想~ | アジアの真実

・管氏の発言と千葉法相の暴走 ~民主党は行政・立法・司法の三権の上に立つという思想~

菅副総理、小沢幹事長、連合結成20周年レセプションに出席:民主党HP
 民主党の菅直人副総理・国家戦略担当大臣と小沢一郎幹事長は9日午後、都内で「連合結成20周年記念レセプション」に出席し、連帯の挨拶を行った。(中略)

 菅副総理は、連合結成20周年にあわせるように、民主党を中心とした政権交代ができたことについて「政権交代を実現する大きな力を、皆さんに与えていただいた」と心からお礼を述べた。

 そのうえで、国会議員は立法を行い、内閣の仕事は基本的に官僚に任せるという政治のかたちが、政権交代によって変わったと指摘。「国会で多数の議席をいただいた政権党が、立法府でイニシアチブを取るだけではなく、内閣も組織する。あえて言えば、立法権と行政権の両方を預かるそして4年間のなかでその結果を、次の選挙で国民の皆さんに審判をいただく、そういうかたちの鳩山政権が誕生したことによって、これまでとは全く風景の違う政治の姿になった」と説明した。

 菅副総理は、様々な内外の諸課題に大きな責任を感じているとしたうえ、国民の皆さんや働く人々を代表する連合の皆さんと、これまで以上に政府としても民主党としても意見交換をしてご指導をいただきながら、あの政権交代は良かったといわれるような政権になるように頑張っていきたいと挨拶した(後略)。


 民主党の管副総が、連合のレセプションで「政権交代により、立法権と行政権を預かる」と発言したことが民主党の公式HPより明らかになりました。三権分立を明確に否定する非常に危険な発言です。確かに日本の議院内閣制では、内閣総理大臣は国会が指名し、内閣は国会に対して連帯責任を持ちますが、それは三権分立を否定するものではありません。一方でこの管氏の発言は明らかに三権分立を否定しており、問題発言であると言わざるを得ません。

 さらに私はこの発言の中に、もっと恐ろしい意味が含まれているように感じます。それは、”国会と政府の上に民主党があり、民主党がそれを主導、または指導する”という発言内容に取れることです。政権与党が多数派を作るのは間違いないですが、この行政権と立法権の上に党が来るという発想は大変危険な思想です。


また、三権分立のもう一つである司法も、民主党の内閣によって既に侵されつつあるようです。


在留特別許可 奈良市在住の中国人姉妹に 敗訴確定後:毎日
 残留孤児の子孫として両親と来日後に在留資格を取り消され、国外退去を命じられていた奈良市在住の中国人姉妹に、千葉景子法相は9日、在留特別許可を出した。最高裁で退去命令の取り消し請求訴訟の敗訴が確定しており、支援団体によると、敗訴確定後に在留を認められたのは埼玉県蕨市のフィリピン人、カルデロンのり子さん(14)ぐらいで、極めて異例。

 姉妹は、帝塚山大1年、北浦加奈(本名・焦春柳)さん(21)と、大阪経済法科大1年、陽子(同・焦春陽)さん(19)。退去命令は取り消され、定住者資格で1年間の在留が認められた。在留は独立して生計を営むなどの条件を満たせば更新できる。大阪入国管理局や支援団体によると、日本での就労が可能になり、再出入国許可を得れば中国などへの出国も認められる。

 姉妹は97年、母親(47)が「長崎県出身の中国残留孤児(故人)の四女」として、家族で中国・黒竜江省から正規に入国。その後、大阪入国管理局が「残留孤児とは血縁がないことが判明した」として一家の上陸許可を取り消し、03年9月に国外退去を命じられた。

 父親(43)が強制収容され、一家は同年12月、退去処分取り消しを求めて大阪地裁に提訴したが、1、2審で敗訴し、最高裁も上告を棄却。父親は大阪府内の高校に通う姉妹を残し、妻と来日後に生まれた三女の3人で中国に強制送還された。

 加奈さんは「紙一枚だが、(退去命令を受けてから)6年間の重みを感じる」。陽子さんは「家族に早く伝えたい」と話した。


 以前の記事でも鳩山内閣の最要注意人物であると何度も指摘している千葉法務大臣ですが、予想通りの行動に出ています。最高裁で敗訴したにもかかわらず、大臣権限で在留特別許可を出す。この行為自体は違法ではありませんが、三権分立の原則から、相当の理由があるときなど、極めて特別なときしか行われることが許されません。

 「違法滞在外国人にも手厚い保護を」と明言している千葉氏のことですから、この大臣権限による特別措置が安易に行われ大量に出るであろうということは安易に予想できましたが、大臣就任1カ月を待たずしてこれでは、本当に先が思いやられます。

 私は今回許可された二人が何か反日的な工作活動をするのではとか、犯罪を犯すのではという懸念を持っているわけではありません。おそらく何の問題もおこさず日本で暮らしていくことでしょう。しかし、だからといって不法滞在を許す理由にはなりませんし、そういう前例は作ることでこの措置が恒常化してしまう恐れがあることが最も懸念されることです。具体的に言えば、


不法入国→不法滞在→入管に捕まる→滞在したいと訴訟を起こす→敗訴→大臣が特別許可


というルートが確立されてしまい、どんな手段でも日本に入国さえすれば、捕まっても最後は必ず合法的な滞在許可が出るという判断から、日本へ不法入国をしてくる外国人が増えることでしょう。

 誰もが納得する相当の理由がない状態で、大臣の偏った思想一つで最高裁の判決を覆すことがまかり通れば、この国の司法制度どころか、国の根幹が崩壊します。


 管氏は民主党が立法と行政を預かったと語りましたが、このように司法までもが民主党の手に落ちるという状態が作られつつあります。つまり、立法と行政と司法、三権の全てを民主党が掌握し、支配する。つまり民主党による三権の独裁状態となる。これは国民が望んだ形でしょうか。来年行われる参議院選挙で再び民主党が大勝するようなことがあれば、この支配構造は完成し、手遅れとなります。それまでにこの異常事態に国民が気付くでしょうか。

 

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参考書籍:

民主党の正体――矛盾と欺瞞と疑惑に満ちた、日本人への恐怖の罠(OAK MOOK 305 撃論ムック)
西村幸祐
4775514229


民主党解剖
産経新聞政治部
4819110640

民主党―野望と野合のメカニズム (新潮新書)
4106102900