・民主党が審議中の17法案をすべて審議拒否 ~鳩山氏の違法献金問題から逃げる為の工作か~
衆院選 8月30日投開票 首相と与党幹部が合意:フジサンケイ ビジネスアイ
麻生太郎首相は13日、自民党の細田博之幹事長や公明党の太田昭宏代表ら与党幹部と官邸で会談し、21日の週に衆院を解散、衆院選を「8月18日公示-30日投開票」の日程で実施する方針を表明し、了承された。これを受け民主、共産、社民、国民新など野党各党は、麻生内閣不信任決議案と首相問責決議案をそれぞれ衆参両院に提出。郵政選挙以来4年ぶりの政治決戦に向け与野党の国会攻防も激化している。
不信任案は14日の衆院本会議で与党多数で否決、問責決議案は参院本会議で野党多数で可決される見通し。野党は問責決議可決後、一切の国会審議に応じない方針だ。これに対し、与党は衆院海賊対処特別委員会で国連決議に基づく北朝鮮貨物検査特別措置法案の審議を続ける方針で、野党が拒否すれば「無責任」と批判する考え。
首相は当初「27日公示-8月8日投開票」の衆院選日程を念頭に、早ければ14日の解散を想定していたが、与党幹部が再考を促し、解散時期をずらすことで合意した。
ただ自民党内には12日の東京都議選惨敗を受け「麻生首相では衆院選は戦えない」との声も根強く、総裁選を前倒しして新総裁の下で選挙戦に臨む「総理(首相)・総裁分離論」が浮上する可能性もある。首相周辺では党内の不満を抑えるため、解散前に内閣改造を行い、選挙態勢を強化する構想も出ている。
昨日話題に上げた衆院選挙についての日程が決まりました。8/30選挙という日程は、衆院の任期が9/11であることを考えると、解散せず任期満了まで待ったとしても殆ど変わらない日程となる為、この解散はある程度”形式的なもの”と考えてよいかもしれません。それがどれ程の効果は持つか別にして、予算や景気対策などの補正予算など重要法案をしっかり成立させた上で、主導権を握って解散させたという与党の体面は保てたでしょう。
そして一方の民主党の行動で、理解に苦しみ、かつ許せないのが、内閣不信任決議と首相の問責決議案を提出すると同時に、審議中だった17法案において一切の審議を拒否した点です。衆院解散・総選挙の日程が決まったにも関わらず、なぜ全く無意味な問責決議案(だいたい、問責決議案とは何か重大な失策や失態が合った場合に提出されるべきものですが、麻生総理にそれは見つかりません)などを出して全ての法案審議を拒否する必要があるのか。
この中には、北朝鮮への制裁のための貨物検査特別措置法案など、日本の外交・安全保障上重要な法案も含まれます。北朝鮮の核実験、ミサイル発射を受け、世界の中で対北朝鮮政策に関して主導権を握らなければいけない立場の日本が、その為の法案を途中で放り投げる。そんなことをしたら世界が日本をどう見るでしょうか。北朝鮮がどう受け取るでしょうか。とても日本のことを真剣に考えている政党ができることではありません。
本当に日本のためを考える国会議員であるならば残された期日を使って全力で審議をするのが本来の姿であるはずです。他にも、民主党の審議拒否のおかげで廃案になることが決定した17法案の中には、民主党が提出した「政治資金規正法改正」法案も含まれています。この法案を審議する過程で、鳩山代表の違法かつ不透明な献金問題が話題に上るのは必須です。今の民主党にとって最も嫌なのがこの鳩山氏の献金問題を追求されることです。民主党はこの問題から逃げ回っています。追求されればいずれ”驚くべき真実”が明らかになることを知っているからでしょう。そしてその”驚くべき真実”は、民主党の支持率を一気に地に落とすのに十分なものでしょう。もしそうでなかった、これ程逃げ回る必要はありません。民主党はそれを避けるために、内閣不信任案や問責決議案などという訳のわからないことをして、さも審議拒否は当然という顔をしながら、それは単純に鳩山氏の違法献金問題を追求されるのから逃げるのが主目的であるという可能性も十分に考えられます。
党首の悪事を庇うという許し難い党利の為のみに行動し、外交・安全保障という重大な法案を平気な顔で放り出したとしたら、これほど”売国”という名前がぴったりくる行動もないでしょう。政権を執る前から信じがたい行動です。もしこの政党が本当に政権をとったら日本がどういう姿になるかということを考えるとぞっとするばかりです。
参考書籍:
政治献金―実態と論理 (岩波新書)
古賀 純一郎
小沢民主党は信用できるか
高市 早苗