・「拉致解決には北朝鮮に大金を払えば良い」と小沢氏が発言 ~失言というレベルを超えた問題発言~
【民主党解剖】第1部「政権のかたち」(1)「小沢首相」は大丈夫か:産経
2月上旬、都内で開かれた民主党議員と支持者による会合。党代表、小沢一郎が発した言葉に会場は一瞬凍りついた。
「拉致問題は北朝鮮に何を言っても解決しない。カネをいっぱい持っていき、『何人かください』って言うしかないだろ」
日本人の人権と日本の主権を蹂躙した北朝鮮の犯罪をカネで決着させる-。あまりにもドライな小沢発言は、当然のごとく、箝口令が敷かれた。
外交・安全保障をめぐる小沢の「危うさ」が露呈し始めている。
2月24日、記者団に「米海軍第7艦隊で米国の極東の存在は十分だ」と語り、波紋を広げた。「対等の日米同盟」を土台に、日本の防衛力増強を志向すると受け取れる発言の真意を、側近は「安保論議を活性化させようとして投じた一石だ」と代弁する。だが、党内にも「先を見据えない、浅はかな言葉だ」(幹部)との批判が出ている。
「民主党に国民は不安も抱いている」。1月18日、民主党大会で国民新党代表、綿貫民輔はこう指摘した。民主党が政権に王手をかけたいま、小沢が唐突に繰り出す持論は、野党の足並みも乱している。(後略)
まず最初に記事中にもある「第七艦隊だけで在日米軍は十分だ」とした発言ですが、この発言は何の根拠にも裏打ちされておらず、この種の発言をするのであれば、アメリカとの同盟関係の見直し、自衛隊の戦力増強、憲法の改正、核武装などの法改正や根本的な防衛体制の見直しが不可欠なのです。それらの議論の準備さえされていない状態でこの種の発言をすることは、日本の防衛と日米同盟について深刻な影を落とします。政権を執ろうかとする党の党首の発言としては問題がありすぎると言わざるを得ません。
またこの発言を受け、民主党左派からは米軍も自衛隊も削減する軍縮案だとされる一方、右派からは自衛隊増強による自主国防案だと受け取られ、結局、民主党の見解ではないと意味不明な釈明まで出ています。党内がバラバラなのです。
そして拉致問題に対する驚くべき問題発言。発言が本当に行われたとすれば、失言というレベルを超えています。北朝鮮の拉致という国家犯罪に対するあまりに甘い認識と、拉致被害者など金で売買すれば良いという考え方。拉致被害者達に対する何たる冒涜でしょうか。なぜ拉致された人たちを金で買い戻さなければならないのか。しかも「何人かくださいと」とはどういう意味なのか。国家の威信を完全に捨てろと言うのでしょうか。日本を脅かすミサイルや核兵器の開発を続け、日本国民を拉致した国に対し、政権を執ろうとする党首のこの発言。これは党首辞任だけでは済まないでしょう。すぐにでも議員辞職すべきです。ほんの少しでも北朝鮮問題や拉致問題に関心があれば、そして日本人であればこんな発言ができるわけがないのです。日本の政治家として完全に失格です。
麻生内閣に対して見苦しいまでに徹底した言葉狩りを展開した民主党とマスコミはこの問題発言から逃れることはできません。マスコミもはこれをきちんと報じ、麻生内閣へ対する言葉狩りと同等の追及を行わなければなりません。もしこの発言をマスコミが封殺するようなことがあれば、そのダブルスタンダート・偏向の度合いが既に自浄不能なレベルに達しており、全く信用のできないメディアに成り下がっていることを自ら証明することになるでしょう
そして自民党も当然ながらこの問題を徹底的に追求すべきです。結局、国防や拉致問題という日本にとっての最重要課題において党内をまとめることができないばかりか、こんな無責任で危険な発言が飛び出すのを見ると、民主党に政権担当能力などないということです。この状態で民主党に政権を任せたとしたら、日本はどうなるのかと絶望的な気分になります。
現在の自民党も与党として頼りないといわざるを得ないところがあるのは確かですが、その代わりにちょっとお試しという気分で民主党に政権を任せてみるという選択肢は有り得ません。
参考書籍:
小沢民主党は信用できるか
高市 早苗
反日マスコミの真実 2009-メディアの情報支配へ反乱が始まった! (OAK MOOK 264 撃論ムック)
西村 幸祐