・麻生総理の医療費発言は本当に不適切なのか? ~マスコミの操作された言葉狩りを暴く~ | アジアの真実

・麻生総理の医療費発言は本当に不適切なのか? ~マスコミの操作された言葉狩りを暴く~

 麻生首相は27日昼、20日の経済財政諮問会議で「たらたら飲んで食べて何もしない人の分の金(医療費)を何で私が払うんだ」と発言したことについて、「病の床にいる人の気分を害したなら、おわびする」と陳謝した。そのうえで「発言(の一部)を切り取られた。予防にもっと力を入れることによって医療費全体を抑制できる」と釈明した。記者団の質問に答えた。
 一方、首相の発言が国民全体で支え合う医療制度の理念を軽視したとも取られかねないことについて、河村官房長官は27日の記者会見で、「そういう見方もあるかもしれない」としながらも、「健康は自ら努力して勝ち得るものだということ。病気になったのが悪いということではない」と説明した。
 ただ、首相の不用意な発言の釈明に追われていることについては「できるだけ、釈明というか、説明せずに済むにこしたことはないが、いろんな発言はこれからもあると思う。(首相の)一つの個性だから」と語った。
 首相の発言に野党は批判を強めている。民主党の鳩山由紀夫幹事長は27日、「支え合う仕組みがあり、それがあるから安心できるという共生の理念をまるでおわかりになっていない。病気になりたくてなっている人はいない。このような方が果たして総理にふさわしいのか、首をかしげる」と記者団に語った。社民党の福島党首も同日の常任幹事会で、「根本的に医療制度をどうすべきかについて、何を考えているかよくわからない。他人への思いやりがない。自分が損していると言うが、自分の半径50センチのことしか視野に入れていないのではないか。改めて総理の資質が問われる」と批判した。
 経済財政諮問会議の議事録が公開され、首相の(「何もしない人の医療費をなぜ私が払うのか」という)発言に対し与野党から批判がでているが。
 「どの話? それは、その前の部分と前後の部分を切って、話つくっておられるんですな。その話が今、病の床におられる方の気分を害したのなら、その点はおわびします。趣旨はいわゆる予防というのをぜんぜん考えていない、今の制度はいかがなものかと。健康管理をする人としない人、予防に注意する人としない人、きちんとしている人していない人、すごい差があるわけで、君もふしだらな生活していると、将来考えた方がいいよ」
 「予防の方をきちんとすべきというのが主旨です。そこのところだけ切りとられて、そこだけ読まれて、いかがなものか。そこだけ読まれて気分を害したのなら、あやまりますが。いきなり追突されて脊髄を損傷とか、先天的なものとか、人によっていろいろ状況が違いますが、同じような状況でも、同窓会であうと、えらい差がでるのは、予防や健康管理している人で、ずいぶん差がある。予防にもっと力をいれることによって、医療費全体を抑制できる。その一部だけ、オタクの新聞にでたんだろうね」



 麻生氏の不適切発言として昨日一斉に報道された「たらたら飲んで食べて何もしない人の分の金(医療費)を何で私が払うんだ」という発言。最初聞いたときは、なんたる言葉だとも思いましたが、なんだかおかしい。あらためて読むと良く意味がわからない。どんな文脈の中で話された言葉なのだろうか。もしかしてまたマスコミの常套手段かと思い調べてみると、案の定です。
 麻生首相が発言した全文はこちらの経済財政諮問会議議事録のPDFファイル (11頁)に記載してありますのでご覧下さい。麻生首相が言いたかったことを要約すると、

”同じ年齢でも、暴飲暴食を続けて言わば自業自得で体をこわした人と、ジョギング等、健康管理に精一杯気を使って健康を保っている人がいた場合、今の制度では健康に気を使った人が、自業自得の人の医療費を負担してあげないといけないような形になっていて不公平感がある。健康に気を使って、医療費がほとんどかからなかった人には何らかのインセンティブがあるなどの工夫があると、医療費はぐッと減るのではないか。”

ということになります。こうして見ると「なるほどそれも一案だ」と思う人も多いのではないでしょうか。確かに、例えば超ヘビースモーカーの人と、全くタバコを吸わない人の病気リスクはかなり違うわけで、この両者に何らかの費用負担の差があってもおかしくない気はします。ただ、先天性の病気の方や、健康に気を使っていてもどうしても病気や事故にあう人もいるわけですから、簡単な区分けはできないでしょうが、麻生総理の提案内容は今後増大を続けるであろう医療費を考える上で、一度検討してみなければならない事ではあるかも知れません。

 しかし、マスコミはこのような解説を一切することなく、ただ単に「病気のヤツの医療費をなんで俺が払わなければならないんだ」この一点のみを報道し、病人を蔑ろにしている極悪人のような印象操作を一斉に行いました。さらに民主党や社民党の野党は、これに乗じて生き生きとして首相批判。マスコミの報道しか知らない多くの国民は、「また麻生総理が不適切発言か・・・」と思うでしょう。これでマスコミと民主党の思惑は成功です。

 最近はマスコミの言葉狩りは本当にうまくなりました。マスコミの報道後、即それに便乗して声名を出す民主党や社民党と、定型の連携プレーの方式もしっかり確立されたようです。残念ながら、腐りきったマスコミに自浄能力があるとも思えません。しかし、幸いにもネットが普及した現在、今回のように真意を自分で捜すことはできます。今のところ、疑問を感じる報道に対しては、その都度真実を探るという作業をするしかないようです。手間はかかりますが、そうやって真実を見抜く手段があるだけ幸せな時代なのかも知れません。