・チベットラサで中国軍が主要3僧院を包囲 ~中国の抱える問題はもはや爆発寸前か~
人民解放軍、チベットの僧院を包囲:AFP
【3月14日 AFP】中国のチベット自治区の中心都市ラサで、人民解放軍が市内3大僧院を包囲した。米ワシントンD.C.を拠点とするチベット支援団体「チベットのための国際キャンペーン」(International Campaign for Tibet、ICT)が14日、明らかにした。ラサでは中国のチベット統治に抗議するデモが連日行われており、当局が厳しい取り締まりに出るのではとの懸念が高まっている。
ICTによると、ラサでの抗議行動3日目に、僧侶ら数百人がデモに参加したことから、中国当局は、市内で最も大きな3つの僧院を包囲した。ICTはさらに、ラサのセラ僧院で、ハンガーストライキが行われているほか、自治区の中心から離れた地域の2か所の僧院にも抗議行動が広がっていると伝えている。
ラサの住民らと話をしたICT広報のケイト・サンダースさんは「ラサは現在、不安と緊張の入り交じった雰囲気が強まっている」と英ロンドンから現地の状況を伝えた。
サンダースさんは、中国政府は僧侶一人一人に対する聴取を開始しているものの、従来に比べて抑制された対応をとっているとの見方を示した。
ICTの声明によると、包囲中の僧院への旅行者の立ち入りは禁止されている。(c)AFP
先日チベット住民と警官隊が衝突し、200人以上が拘束されたというニュースがあったばかりですが、本日のAFPの報道によるとラサ市内の三大僧院が中国軍によって包囲されたということです。チベット問題については中国による厳しい情報管制がされている上、日本のマスコミは非常に消極的ですから現地の詳しい様子はなかなか知ることができませんが、かなり危険なレベルに達しているのかもしれません。いずれにせよ、軍が弾圧の為に、他民族の僧院を包囲するなど我々には想像ができないような事態です。このような国で数ヵ月後にオリンピックが開かれるというのが冗談であるかのように聞こえてきます。
もしここで住民や僧院と中国軍が衝突し、中国軍が発砲などという事件が起きれば中国は間違いなく国際的に大きな非難の的となり、オリンピックはもちろん、万博の開催も本格的に危うくなるでしょう。
食の問題、環境問題、チベット問題・・・この国が抱える多種多様な問題は全てが末期症状、爆発寸前のように思えます。地方の農村では頻繁に暴動が起きている上、共産党は軍を完全には掌握できていないという報道も一部ではなされています。
仮にオリンピックや万博がかろうじて開催できたとしても、その爆発時期は間近まで迫っているかもしれません。友好外交も結構ですが、その爆発の際に日本が受ける影響を少しでも少なくする為に”そのとき”を想定した危機管理をしておくのが政府の緊急課題であると言えるでしょう。
参考書籍:
中国はいかにチベットを侵略したか
マイケル ダナム Mikel Dunham 山際 素男
中国は猛毒を撒きちらして自滅する―全世界バブル崩壊の引き金を引くのも中国
宮崎 正弘
選手も観客も命がけの北京五輪 オリンピックどころじゃない中国の真実! [別冊宝島1508] (別冊宝島 1508 ノンフィクション)