・年金が争点の参院選は日本の恥 ~これをアメリカに指摘されることもまた恥~ | アジアの真実

・年金が争点の参院選は日本の恥 ~これをアメリカに指摘されることもまた恥~

【2007参院選】何たる選挙戦(2)「醜聞・年金だけの争点は恥だ」 :産経
 「今回の参院選は、日本が今後国際的にどんな役割を果たすべきか、安倍晋三首相が示したビジョンへの賛否が問われるべきだと思っていたら、一連のスキャンダルと年金制度の管理ミスだけが争点のようになってしまった。これはシェーム(恥)だと思う」

 今の選挙のキャンペーンを「恥」という激しい言葉で評したのは、米国の若手日本研究学者マイケル・オースリン氏である。米国大手紙への7月上旬の寄稿だった。

(中略)

 そのオースリン氏をAEIに訪ね、改めて問うと、いかにもこの世代の日本研究者らしい知日度の高さと従来の枠からの脱却を思わせる解説がはね返ってきた。

 「宮崎県に住む日本人の妻の両親とよく話すので、年金問題の重要性もよくわかります。しかし、米国のスカートの背後から足を踏み出すという意味の『戦後レジーム(体制)からの脱却』を戦後生まれの若い安倍首相が唱えたいまの日本は、まさに歴史的な分岐点にあると思う。日米同盟をどうするか。中国の拡張にどう対応するか。憲法9条や防衛政策をどうするか。世界にどう貢献するか。今後の30年ほどの国の進路を決めるエキサイティングな時期でしょう。そんな時の国政選挙なのに醜聞と年金だけ、というのはあまりに残念という意味で『恥』と評したのです」

 ワシントンの戦略国際研究センター(CSIS)研究員でオースリン氏と同じ世代の日本の政治・安保の専門家ニック・セーチェーニ氏は「どの国の選挙でも主要な争点は国内問題になりがちですが」と前置きしながらも、「いまの日本は日米関係の在り方一つとっても、どんな政策が適切なのか、さらに国際的により大きな役割をどう果たすか、非常に重要な課題に直面しているのに、参院選では目先の問題にのみ込まれた観です」と、類似した失望をにじませた。

 ただし、今後誰が首相になっても、そうした対外的な重要課題からは逃れられないだろうという。

(中略)

 この点、オースリン氏は次のように語る。

 「民主党も政権の獲得を真剣に考えるならば、世界における日本というビジョンを大きく描かねばならないが、代表の小沢一郎氏は『永遠の革命家』という感じです。いつも闘いを挑むけれども、自分自身がどんな政策を有しているのか、不明という意味です」

 一方、オースリン氏によれば、安倍氏は「より強い日本、より自信ある日本」を目標に、民主主義や市場経済を基盤とし、安保努力の増強や日米同盟の強化を目指すという点で、是非は別にしても、政策の方向は明確だという。

 そうした政策目標は、これまた是非は別にして、日本という国家の在り方、そして日本国民の生き方の根幹にかかわる選択であろう。

 だがその是非が少しも論じられない日本の参院選の現状を、オースリン氏は「恥」という言葉で率直に批判したのだった。(ワシントン 古森義久)


 2日後に迫った参院選挙ですが、産経に面白い記事がありました。この選挙は日本の「恥」であると。

 記事中にある通り、このまま事なかれ主義を貫き、世界の中で埋没する国になるのか。それとも戦後レジュームから脱し、新たな立場を模索していくのか。現在の日本はまさに分岐点に立たされています。参院の任期は6年あり、途中解散もありません。今後6年の日本を任せる議員を選ぶ重要な選挙です。それなのにマスコミや野党が選挙の争点として騒ぎ続けるのは年金と閣僚の問題発言に対するスキャンダルのみ。外交問題や、今後の日本の在り方に言及するマスコミはほとんどありません。憲法改正問題にすらほとんど触れられません。

 本当にこれらのことを考えず、目先の問題にだけ飲み込まれた選挙となれば、この記事の通り日本の「恥」と言われても仕方がないでしょう。そしてそんなことをアメリカから指摘されるというのもまた「恥」です。

 

 選挙まであと2日。有権者の方には、テレビや新聞だけの目先の報道に捕らわれず、今後の日本を任せる上で様々な点を考え、各党のマニフェストや政策を吟味し、有意義な一票を投じて頂きたいと思います。


人気ブログランキングバナー ←このBlogに何かを感じたらクリックして下さい。


参考書籍:
とてつもない日本
麻生 太郎
410610217X


美しい国へ (文春新書)
安倍 晋三
4166605240