・経済成長の影で環境汚染が深刻化する中国 ~中国という名の深海魚が破裂する日~ | アジアの真実

・経済成長の影で環境汚染が深刻化する中国 ~中国という名の深海魚が破裂する日~

なぜ!? 湖面を埋め尽くす魚の死骸―湖北省武漢市(レコードチャイナ)

 2007年6月1日、この日から、武漢市蔡甸区にある清龍海湖で、養殖中の魚が突然、大量に死に始めた。6月4日までに、死んだ魚の総量はおよそ15万キロにも達した。あたりにただよう強烈な悪臭の中、職員らは死んだ魚の処理作業に追われた。

この養魚湖で働くある男性は、数日前の大雨で、近くの揚水ステーションの水が逆流し、大量の生活廃水が湖に流れ込んだのが原因ではないかと語る。一方、蔡甸区の担当者は、この地区周辺にはプラスチック、アスファルトなどの化学物質を扱う工場が立ち並んでおり、それらの工場から流れ出した有毒物質が大雨によって揚水ステーションの水路に流れこみ、魚の大量死を引き起こしたのではないかとの見方を表明していた。

これを受けて蔡甸区環境保護局は6月3日夜、調査結果を発表し、確かに工場からの汚染された排水が魚の大量死の原因であったことを確認した。この湖から検出された有毒物質のレベルは、標準のレベルの数十倍にも達するという。


 上記は少し前のニュースですが、最近中国関連のニュースを検索すると、この手の記事が毎日のように飛び込んできます。食物汚染、水質汚染、大気汚染、砂漠化など、環境汚染のスピードは稀に見る急ピッチで進行しています。驚くべきことに、中国での新生児における障害児の発生率は、わかっているだけでも5%以上という数字も出ています。
 近年自由経済を一部取り入れたことで急激に経済成長を遂げている中国では、環境保全というものは全くといっていいほど考慮されてきませんでした。そのツケが急激に最近になって顕著に発生しているのです。しかし残念ながらその対応はほとんどなされていません。このままでは、近い将来経済成長どころか、中国は環境破壊により内部から崩壊を起こす可能性もあります。
このようなニュースが飛び回るようになってから、私のまわりでも中国製の食品はもう絶対に買わないと宣言する人が何人も出てきました。今後この流れが世界中に浸透したらどうなるでしょうか。内部だけではなく、外からも崩壊の序章が始まるでしょう。
また環境問題だけでありません。急激な経済成長の結果、社会主義国家であるはずの中国では本来あってはならない経済格差が激しくなってきています。その結果、農村部での暴動の数は年間10万件とも言われています。中国国内での報道規制の結果、これが大々的に報道されることはありませんが、これを共産党が抑えきれなくなった時、共産党による中国支配という国体が維持できなくなる可能性もあります。


  2005年の4月12日、読売新聞におもしろい社説が掲載されました 。「深海魚の体は大きな圧力に耐えられるようにできている。いきなり海面に引き上げられると水圧から解放され、内臓が口から出たり、眼球が飛び出したり、悲惨なことになるという」このような辞典からの引用を行い、この深海魚は今の中国に当てはまるのではないか。という内容です。私はこの社説は言いえて妙だと思います。
いままでは表舞台に出ず深海で潜んでいた巨大な国は経済成長を遂げ、明るい海面に急浮上を行おうとしているが、何も準備を行わないままそれを行った結果、内部に様々な矛盾を抱えてしまっている。しかし何の対策もしないまま急浮上を続ける中国が、水圧に耐えられず破裂してしまう日が間近に迫っているように私には思えてなりません。


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参考書籍:

中国は持続可能な社会か―農業と環境問題から検証する
原 剛
4496040808


中国産農作物と食品安全問題 (筑波書房ブックレット―暮らしのなかの食と農)
大島 一二
4811902432