・デンソーの機密盗難を行った中国人スパイを逮捕 ~スパイ天国日本で暗躍する他国のスパイ達~ | アジアの真実

・デンソーの機密盗難を行った中国人スパイを逮捕 ~スパイ天国日本で暗躍する他国のスパイ達~

<デンソー機密盗難>中国人容疑者、データすでに暗号化か:毎日
 大手自動車部品メーカー「デンソー」(愛知県刈谷市)で、機密データを記録したパソコンが外部に持ち出された事件で、横領容疑で逮捕された同社の中国人エンジニア、楊魯川容疑者(41)がデータを移した記憶媒体の一部が見つかっていないことが17日、同県警外事課の調べで分かった。また、押収した媒体の一部は暗号処理されていたことも判明した。所在不明の媒体のデータが暗号化され、既に国外に持ち出された可能性があり、県警は提供先や利用目的を追及している。
 調べでは、楊容疑者は昨年10~12月、会社貸与のノートパソコンに、社内データベースを通じて、エンジン設計などに関連する大量のデータを取り込んだ。このパソコンを自宅に持ち帰り、私有パソコンや外付けハードディスクにデータをコピーしたとみられる。
 県警で押収した貸与パソコンを分析したところ、複数の記憶媒体に接続した形跡を発見した。また、データが入ったファイルにも、データ転送で生じたとみられる断続的なアクセス記録が残っていることが分かった。自宅や職場への家宅捜索で見つかった複数の記憶媒体と照合した結果、貸与パソコンと接続した形跡があるのに、まだ見つかっていない記憶媒体が存在することが分かった。
 また、押収した複数の記憶媒体を分析しようとしたところ、暗号処理やパスワード設定がされ、データの内容が確認できないものや、解読しようとすると記録が消えるものもあった。自宅から押収された私有パソコンはハードディスク部分が取り出されて壊され、証拠隠滅されていたという。
 楊容疑者は昨年10月から計3回、中国へ渡航したことがわかっており、発覚時の影響を最小限に抑える措置を講じ、軍事利用や自動車産業など民生用の目的で、中国への持ち出しを繰り返していた可能性もあるとみている。【松岡洋介】


デンソーのスパイ事件ですが、記録媒体にかかっている暗号処理や解読をしようとすると記録が消える、HDDが取り出されて壊されているなど、この手際を見るととても素人が小遣い稼ぎの為にスパイの片棒を担いだとは思えず、正真正銘プロのスパイの仕業ではないかという疑いが強いです。中国本国でスパイの教育を受け、デンソーへ入社する目的も機密情報の取得のみが目的だったのでしょう。似たような事件は最近いくつも起きています。昨年8月には、ニコンの社員が在日ロシア通商代表部所属の男へミサイルへ転用できる赤外線技術を転売して逮捕されています(このロシア人は後の調査でGRU:ロシア諜報機関・軍参謀本部情報総局所属部員だったことが明らかになっていますが、既に国外脱出しており逮捕はされていません)。また無人ヘリを中国軍へ輸出しようとしたヤマハの社員も最近逮捕されています。

 日本の民間企業は非常に高い技術を持っており、それを狙おうとする企業スパイや自国の軍事技術へ転用しようとする国家スパイの数は相当なものでしょう。しかし企業による情報の自己防衛という意識も低く、スパイ防止法もない日本は、彼らにとってはやりたい放題のまさにスパイ天国といった状況なのでしょう。おそらくこんな事件は氷山の一角であり、外国人の出入りが目立たなくなってきた近年においては、高い技術を持つ企業ではどこでも日常茶飯事のように同じようなことが起きていると考えたほうが自然です。

 スパイ防止法のない日本では、今回捕まった中国人も容疑は「横領」であり、軍事目的で使用できる技術を盗んだ、所謂「スパイ容疑」ではありません。横領罪の法定刑は「5年以下の懲役」です。この中国人が有罪になったとしても、たった数年で自由の身になることができます。

 しかし、この中国人が本国へ逃亡する前に逮捕できたことは不幸中の幸いだったのかも知れません。警察は、この中国人から中国本国からどのような教育や指令を受けながらスパイを実施していたのかを調査し、日本で暗躍する中国人スパイの実態を総力を挙げて調べ上げるべきです。そして日本政府はこれらの事実を深刻に受け止め、早急にスパイ防止法を制定するだけでなく、各企業へも自己防衛の為の対策や啓蒙を政府として行うべきです。


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参考書籍:
諜報機関に騙されるな!
野田 敬生
4480063439


インテリジェンス 武器なき戦争
手嶋 龍一 佐藤 優
4344980115