・また「慰安婦」「南京」に悩まされる日本の情けなさ ~これを変えるのが安倍政権の役割である~ | アジアの真実

・また「慰安婦」「南京」に悩まされる日本の情けなさ ~これを変えるのが安倍政権の役割である~

また「慰安婦」「南京」に悩まされる日本の情けなさ:日経BP 花岡 信昭氏
 米下院で「従軍慰安婦」をめぐる対日非難決議が採択されそうな気配である。一方、映画では「硫黄島」に続いて、今度は「南京」映画の制作ラッシュという。

 日本にとっては、なんとも迷惑な話である。既に半世紀以上も前のことをむし返され、「謝罪が足りない」「補償しろ」とやられる。ごく一部の扇動的集団が動き回っているのだが、日本の政府・外務省がこれに有効な対応策を取り得ないというのも情けない話だ。

 米下院外交委員会のアジア太平洋小委員会で「元慰安婦」なる人たちを招請して公聴会が開かれた。ファレオマバエンガ委員長は「日本軍の性奴隷は、日本政府が犯した20世紀最大の人身売買事件であり、集団強姦・強制堕胎・精神的侮辱・性的虐待などによる身体障害と虐殺などを伴う残忍かつ重大な事件」と述べた(朝鮮日報)というのだから、これは尋常ではない。

 この公聴会で証言した韓国人2人とオランダ人の「元従軍慰安婦」は、この問題をフォローしている研究者らにはおなじみの人物である。「証言」内容がころころと変わることも知られている。以前、「法廷」とは呼べない民間団体による催し「女性国際戦犯法廷」を取り上げたNHKの番組にも出ていた(この番組はその後、さまざまな立場から問題点が指摘された)。

 米下院で決議を主導しているマイク・ホンダ議員は日系3世。選挙地盤に韓国系勢力がいるのであろうといった事情は分かるにしても、いくらなんでもやりすぎである。万一、非難決議が採択されたら、法的拘束力はないにしても、日米関係に要らざるヒビが入ってしまうし、米下院の権威そのものが疑われることになってしまう。


「河野談話」の呪縛
 加藤良三駐米大使を筆頭に、決議阻止に向けての「ロビー活動」が展開されているとのことだが、「すでに謝罪している。補償も済んでいる」といった立場だから、迫力を欠くことおびただしい。

 やはり、93年の「河野談話」の呪縛がいつまでも付いて回る。当時の石原信雄官房副長官が後に明らかにしたように、慰安婦の「強制連行」をめぐって国家や軍が組織的に関与した事実は、いかなる資料からも発見されなかった。

 そのため、ソウルでの直前の聞き取り調査だけを根拠に「あったことにしよう」という政治判断が下された。宮沢政権崩壊の直前という政治的混乱の中で、日韓関係維持を目的とした「河野談話」がばたばたと打ち出されたのである。

 だいたいが、「従軍慰安婦」という言葉自体、戦時中には用いられず、後になってつくられた用語である。「女衒」といった民間業者が親にカネを渡して、嫌がる娘を連れて行ったということはあっただろう。末端組織の暴走が一部にあったのも事実のようだが、国家や軍の正規機関が関与した事実はなかった。

 ということは、いまになって「強制連行」を非難されるというのは、国家そのものに対する侮辱といっていいのだが、「河野談話」がネックになっている。安倍首相も本来は強制連行否定派なのだが、内閣の連続性を担保するため、河野談話踏襲を認めざるを得なかった。


「反日」をあおるのはだれか 

 「南京大虐殺」は、日中戦争初期の1937年暮れ、当時の国民党政府の首都、南京を日本軍が攻略した際に起きたとされる。中国はいまだに「30万虐殺」を主張している。当時の南京の人口は20万程度だったから、どう見ても「白髪三千丈」のたぐいの話なのだが、反日テーマとして、「靖国」から「南京」への転換が進行中であるようにも見える。

 首都攻略戦だから、それなりの激しい戦闘行為があったのは事実だ。軍服を脱いで一般人に紛れ込む便衣兵の掃討作戦もあった。一部に不心得者もいただろう。だが、アイリス・チャンが書いた「ザ・レイプ・オブ・ナンキン」は、ほとんどが虚構である。その事実誤認を指摘されたアイリス・チャンは拳銃自殺している。

 いわば、「20世紀最大の謀略戦」が「南京大虐殺」を生み出したといっていい。ティンパーリーら外国特派員が国民党宣伝部から支援を受けて、英語、中国語の著書を同時出版し、これが「南京大虐殺の定本」となっていった過程なども、既に研究者によって明らかにされている。

 とてもではないが、ナチスのホロコーストと同一視されてはたまらない。問題は、敗戦ショック、東京裁判、「諸国民の公正と正義」に国の将来を委ねる憲法、といった歴史の過程の中で、国際的な謀略戦に真っ向から立ち向かえなかった日本の脆弱さにあるように思える。

 日本国内のメディアの一部に「反日」をあおり立てることを好む勢力が存在するのも厄介な現実だ。「日中問題」「日韓問題」は、つまるところ「日日問題」にある、という言い方もできよう。

 米下院の対日非難決議への動きなど、不幸な状況に手をこまねいていると、「原爆を落とした米国への非難」が噴出する、といったあらぬ方向への展開も懸念される。その場合、ほくそ笑むのはだれか。



  日経BPの花岡信昭氏による連載コラム「我々の国家はどこへ向かっているのか」に掲載されたいたものですが、長文の為抜粋しようと思ったのですが、省略できる部分がありませんでした。全くその通りです。南京の話にせよ、従軍慰安婦の話にせよ、この文には何も新しいことや驚くべきことが書かれているわけではありません。知っている人なら知っている「当たり前」のことが書かれているだけです。しかしこういう文書を読むと新鮮に思えてしまいます。なぜでしょうか。それは正当な主張でありながら、同じ事を政府が主張できないこと。そしてマスコミも同じくそれができない。しようとしない。むしろ逆の主張が目立つ。だからこそこういう文書に当たると新鮮に思えてしまうのです。

 上記コラム中にもあるように、安倍首相は従軍慰安婦の強制連行否定派でありながら、内閣の連続性を担保するために河野談話を踏襲することを明言してしまいました。そのほか南京事件など中韓との歴史論争になっている事柄についても、今までの事なかれ主義内閣と違う発言をするようなことはしていません。これも今までと違う発言や見解をすることによって中韓から、そして野党や国内の反日勢力からの批判を懸念してのことでしょう。

 しかし安倍政権に期待していた人たちは本当にそんなことを期待しているでしょうか。違うはずです。小泉政権時から変わり始めた日本の流れを確固たる信念のもとにさらに確かな方向へ変えてくれることを期待していたはずです。厳しい言い方をするようですが、安倍政権がすべき役割はそれであり、それが出来なければ安倍政権である必要性はありません。参院選を控えた今、大きな行動を起こすのは控えたいのもわかりますが、南京事件に関する映画が作成されたり、米国で従軍慰安婦非難決議が採択されようとしている今が好機であるとも言えます。時期を見計らい、的確な行動をされることを望みます。


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参考書籍:

美しい国へ
安倍 晋三
4166605240


日韓「歴史問題」の真実 「朝鮮人強制連行」「慰安婦問題」を捏造したのは誰か
西岡 力
4569643167


南京事件「証拠写真」を検証する
東中野 修道 ほか