・遂に生産が開始された東シナ海ガス田 ~安倍政権は大局を見据えた対策を~ | アジアの真実

・遂に生産が開始された東シナ海ガス田 ~安倍政権は大局を見据えた対策を~

中国、東シナ海ガス田の新施設で生産開始・政府は抗議:日経
 塩崎恭久官房長官は8日の記者会見で、中国が東シナ海の境界線(日中中間線)の中国側に位置する天然ガス田「平湖」近くで建設していた新たな採掘施設「八角亭」で生産を開始したことを確認したと明らかにした。谷内正太郎外務次官が2日、王毅駐日中国大使に抗議したが、中国側は「日本の申し入れは受け入れられない」と従来の立場を繰り返したという。

 塩崎氏によると、1日午前に八角亭でガス燃焼による炎を確認。「日本の200カイリ内の海域において中国側が開発作業の不当な事実を積み上げていることに強い関心と懸念を有している」と批判した。

 同時に「(日中には)東シナ海を平和、協力、友好の海にしようとの共通認識があるので、日本の主権的権利を確保しつつ、対話を通じて迅速な解決を引き出したい」とも強調した。



 このBlogの開始以来この問題の行方はずっと追っていましたが、はっきりと生産が開始されたという報道は初めてのはずです。あまり大きなニュースにはなっていないようですが、私からしてみたら”とうとうこの日が来たか”という感想です。この問題が初めて表面化したのは、2004年の5月28日でした。中日新聞がスクープとして報道したのがきっかけでした。この事態に日本政府が最初、関与する立場にないと発表したことには驚愕したものです。しかし国民の声が高まるにつれ、当時の中川経参相や町村外相が奮戦し、中国へ対して強く抗議をしたり、日本独自の調査船を派遣するなどし、中国を協議の場に引きずり出すことに成功しました。中国はそこでもデータ提供を拒否するなどしましたが、一方的な開発に対して協議の場を持てたこと、そしてすぐにでも生産可能と言われていたガス田の稼動を遅らせたことは、日本が中国へ対して毅然とした態度を見せた、”変わる日本”への第一歩であったと私は思っています。

 しかしこの問題は、小泉政権最後の内閣改造において、経産相が親中派の二階氏に代わってからは一気に後退を見せました。協議は数回開かれたものの、”対話で解決する”という二階氏の方針に引きずられ、調査船派遣のような”具体的一手”が打てない日本に対し、中国は着々と既成事実を積み重ね、とうとう今月になり生産が開始されてしまったのです。

 まだ具体的な話は出ていませんが、安部政権はこの問題に対してどのよな対策を打つのか。新しく経産相に就任した甘利氏は、就任時には二階氏の方針を引き継ぐような会見をしていたことが非常に気になりますが、中国に対しては”融和策”や”対話”のみでは問題は決して解決されないことは、この問題一つ見ても明らかです。この問題は、一局的な問題ではありません。ここで譲歩や静観を続けていては、他の問題でも中国は日本へ対して同じような態度を取り続けるでしょう。今後の日中関係のあり方という大局を見越した上で、安倍政権には対応策を練って頂きたいと思います。


人気ブログランキングバナー ←このBlogに何かを感じたらクリックして下さい。


参考書籍:

中国は日本を併合する
平松 茂雄
4770040318