・「ODA戦略会議」が初会合  ~やっと芽吹きだした日本の戦略外交~ | アジアの真実

・「ODA戦略会議」が初会合  ~やっと芽吹きだした日本の戦略外交~

タレ流し一掃なるか ODA戦略「司令塔」が初会合:産経
 政府の「海外経済協力会議」(議長・小泉純一郎首相)の初会合が8日午前、首相官邸で開かれた。かねてから「タレ流し」と批判が強かった政府開発援助(ODA)を戦略・効率的に実施するのが狙い。初会合では、ODAの現状について報告を聞いたうえで、今後の会議の進め方などを話し合った。

 会議には、小泉首相、安倍晋三官房長官、麻生太郎外相、谷垣禎一財務相、二階俊博経済産業相が出席した。会議に先立ち、安倍氏は記者会見で「ODAについてどのように戦略的な対応をしていくか、世界の理想に向けて、わが国の果たすべき役割などを包括的に議論したい」と述べた。

 同会議は、ODAのあり方を検討していた政府の有識者会議「海外経済協力に関する検討会」(座長・原田明夫前検事総長)が今年2月にまとめた提言に基づき設置。いかに縦割り行政の弊害を廃し、ODAの戦略的活用に向けて「司令塔」の役割が果たせるかが焦点となる。また、閣議決定を見合わせている平成17年度分の中国への円借款供与も議題となる見通しだ。


閣僚らの外国出張「戦略的に」・官邸が調整へ:日経
 安倍晋三官房長官は9日の閣僚懇談会で、閣僚や副大臣、政務官の外国出張について「外交を全世界的な規模で戦略的、計画的に展開する観点から政府一体となった取り組みが重要だ」と述べ、訪問先などを内閣官房で総合調整する方針を示した。「閣僚などのハイレベルの訪問がなかった地域に副大臣、政務官が手分けをし、重要な政策課題のある国・地域に重点的に訪問してほしい」と語った。

 閣僚らの外国出張は特定の国・地域に偏る傾向があり、小泉純一郎首相が8日の海外経済協力会議で総合調整を指示していた。政府は国連安全保障理事会の常任理事国入りへの支持取り付けや長期的なエネルギー戦略など国益重視の姿勢を強める方針。首相の靖国神社参拝を理由に首脳会談に応じない中国や韓国への対応が課題となりそうだ。


 「ODAを戦略的かつ効率的に実施する会議」がやっと日本で立ちあがったとのことですが、いったい今までは戦略もなしに何をやっていたのかと言いたくなります。今まで行われた中国への巨額のODAは、中国から一切感謝されることもなく、中国国民に知らされることもなく、軍事転用されている懸念も払拭できないまま垂れ流されてきました。一部は規約に反して、日本のODAで建設された施設が民間売却されたりもしています。それでも続けられた多額のODA結果、中国から返ってきたのは徹底された反日政策と反日感情だけです。

  さらにODAを日本から供与されているはずの中国は、東南アジアやアフリカ諸国へ対し、中国企業を使用するという条件付ODAをばら撒き始めています。結果的に中国の利益にもなり、また二国間の貿易関係を活発化させることで国際的にも自国の陣営の味方につけるという目的も含んでいます。中国のODAは実に戦略的な構想の元に行われているのに対して、日本のそれはどうでしょうか。もちろん、対中国以外の国て対するODAも全てが同じだとは思いませんが、今まで日本のODAは無策すぎました。中国へ日本は金を渡し、その金で中国は対日対米の軍事力を整備するなどして国の基盤を整え、さらにその金を第三国へ横流しして恩を売ることで自国へ取り込む。日本が中国へODAを渡せば渡すほど日本の首を絞める構図となっています。(参考過去記事→・日本からのODAを他国へ横流しする中国 ~したたかな中国と情けない日本の国家経営~)

  以前の記事でも、中国のしたたかさと比べて日本の戦略性のなさを指摘していましたが、遅すぎたとはいえ、今回このような会議がやっと創設されたというのは評価すべきことです(メンバーの中には親中派の二階氏などが存在しているのが懸念材料ではありますが)。また、安倍氏らが官僚らの海外訪問も戦略的に行う方針を発表したということもあわせて評価できると思います。戦後60年、世界戦略ではアメリカに追従するのみ。アジア外交では頭を下げるのみであった日本も、やっと外交を戦略的に行う基盤を作り始めたというところでしょうか。これからの動きに期待したいと思います。しかし、小泉首相後の日本がこの流れを引き継ぐことができるかどうかには不安も覚えます。この流れを継続できる”小泉後”を強く望みます。


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参考書籍:
怒りを超えてもはやお笑い!日本の中国援助ODA―誰も知らない血税3兆円の行方
青木 直人
4396611242