・中韓の教科書批判を25年前と比べる ~「”一応”の進化」を遂げた日本~ | アジアの真実

・中韓の教科書批判を25年前と比べる ~「”一応”の進化」を遂げた日本~

4月2日産経抄

昭和五十七年の教科書検定事件は報道各社の誤報から始まった。高校の教科書に初め「日本軍が華北(中国北部)に侵略」とあったのに検定で「侵略」が「進出」と書き改めさせられた、と誤って伝えたのだ。産経新聞以外きちんとした訂正もしなかった。

 ▼その罪は大きい。だが、コトを大きくしたのは政府や政治家たちの定見のなさだった。中国、韓国から抗議を受けると右往左往、真偽も確かめないまま、検定を間違いとする官房長官談話を発表する。以後、中韓が教科書問題に介入するきっかけを作ったのだ。

 ▼今年発表の高校教科書検定では、島根県の竹島を「日本の固有の領土」と、記述を改めさせられたケースがあった。誤報ではないし、当然の検定である。これに対し、韓国は日本政府に「遺憾と抗議」を伝えてきた。ここまでは二十四年前と同じような推移である。

 ▼違っていたのはマスコミや政治家の反応だった。ほとんどの新聞は韓国の抗議を伝える記事を、ベタ扱いにしていた。政治家もピクリとも動かなかった。歴史認識と領土問題との相違はあるにしても、四半世紀近い間に日本も外交的に一応の「進化」をしたのだろう。

 ▼しかし、少しもそれを感じさせない人たちもいる。「日中関係を改善するため」と中国へ出かけた日中友好議連などの人たちだ。会談した胡錦濤主席から「(首相が)靖国参拝をやめれば首脳会談に応じる」と「内政干渉」発言を引き出してしまったからである。

 ▼今こちらから動けば外交的に利用されるだけなのに、まんまとハマる。しかも団長の橋本元首相らは、ほとんど反論もしなかったという。会談は三十一日だった。「一日早いエープリルフールじゃないの」と言いたくなる稚拙さだった。

 

 上記の文にある、「四半世紀近い間に日本も外交的に一応の「進化」をしたのだろう」という言葉に目が留まりました。

 25年前に教科書の記述内容を中韓に攻撃された時、明らかに内政干渉である他国の教科書修正要求にも関わらず、そんなことは少しの問題にならず、ただ一点、「戦争被害者である中国様と韓国様がお怒りだ」という点に日本全体の意識は集中し、マスコミも事実よりもこぞってその点を騒ぎ立て、政治家達も何よりも事を収めることだけに気を使いました。

 全国的に自虐史観にどっぷりと漬かりきっていた当時、とにかく何があってもあの戦争は日本は悪であり全て日本が間違っていると日本全体が妄信していました。事実をしっかりと調べることもなく、中韓の要求を鵜呑みにし、近隣諸国条項という馬鹿馬鹿しいおまけまで付け、将来に大きな禍根を残した上、結果として中韓に教科書批判は効果的という今日まで使える餌を与えてしまいました。

 同じような例で言えば、従軍慰安婦問題が持ち上がった時、大した調査もせずにとにかく事を収めようと謝罪を行った宮沢政権、中国の遺棄化学兵器の処理問題の時に安易に全て日本が処理するという覚書を締結してしまった村山政権の時も同様の傾向がありました。つまり当時「真実」はさして重要ではなく、”日本は絶対的に悪であり、被害者である中国や韓国は正しく、それらの国の気分を害することがないように”この意識が真実を捻じ曲げるほど強く日本を支配していたのです。はっきり言って病気です。先日の記事で、現代の韓国という国は、真実よりも、その思想との方向性に合致しているかどうかということが最重要視されると書きましたが、まさにその状況と似ています。


 確かに今の日本は、歴史問題などで中国や韓国が騒いだとしても、「中国様がお怒りだ」と鬼の首を取ったように騒ぎ立てるマスコミも減りました。またそういう報道を聞いても、何の疑いもなく日本が間違っているのだと考える日本人も減ってきたように思います。政治の世界でも、今回文科省の小坂大臣は「わが国の教科書はわが国の立場に立って正確に記述することが必要だ」と主張しました。その通りです。

 ここまで来るには様々な要因がありました。インターネットなどの普及で、マスコミが与える着色された情報以外も容易に入手できるようになってきたこと。歴史研究が進み、真実が明らかになってきたこと。そして昨年の反日デモなどに見られるように、中国や韓国の反日政策に度が過ぎる点があったこと。さらには日本政府が主張すべきは主張できるようになってきたこと。

 しかしながら、まだ全ての問題が解決されたわけではありません。中韓の態度は相変わらずですし、国内の反日勢力(一部マスコミ含)も活発に活動を続けています。まだ日本はスタートラインにやっと立ったくらいだと思うのが適当かもしれません。そういう意味で、産経の記事の「一応の進化」という一言が重く感じられます。


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参考書籍:


これだけは知っておきたい日本・中国・韓国の歴史と問題点80
竹内 睦泰
4893086170


全「歴史教科書」を徹底検証する―教科書改善白書〈2006年版〉
三浦 朱門
4093875847


教科書が教えない歴史
藤岡 信勝 自由主義史観研究会
4594048862