・拉致問題解決の結末はどこに ~朝鮮総連の解体から金正日への糾弾まで | アジアの真実

・拉致問題解決の結末はどこに ~朝鮮総連の解体から金正日への糾弾まで

3月24日付・よみうり寸評

日本の公権力は北朝鮮に対して長いこと実に抑制的だった。いらだたしく歯ぎしりしたいくらいの例が数々ある。今なら笑い話かと疑うような話もある

◆〈金日成閣下の無線機〉はそんな話の一つだ。北朝鮮の工作員2人を検挙、強制退去させた。1973年のこと。送還の際、スパイの証拠品として押収した無線機やゴムボートまで持たせて帰した

◆これらは工作員の所有物ではなく金日成閣下の物だからというばかばかしさ。第三者の所有物を没収するには官報に公告が必要だが、その手続きを忘れたためだった

◆きのう、警視庁公安部が朝鮮総連系の在日本朝鮮大阪府商工会などに対し、強制捜査に入った。拉致工作員にアジトや資金を提供した国内の協力ネットワークを解明する

この強制捜査に朝鮮総連が「公権力の乱用だ」など反発している。この公権力の行使は遅過ぎると非難されても、乱用とはとんでもない。公権力が暴走しているのはどこの国かと反問したくなる

◆工作員を無線機ともども万景峰号で帰した公権力の甘さ。そんなことはもう許されない。


 [拉致強制捜査]「『北』の国家テロ構造を究明せよ」:読売社説

 北朝鮮による国家テロの全容解明へ、日本人拉致の支援組織を追及しなければならない。1980年の原敕晁さん拉致事件で、警視庁は在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)傘下の在日本朝鮮大阪府商工会などを捜索した。国外移送目的拐取などの容疑だ。元理事長と、故人となっている元会長の商工会幹部2人が、拉致に関与していた疑いが強まったためである。

 一連の拉致事件で、警察当局が国内の協力者を特定して強制捜査に着手したのも、朝鮮総連関係者の名前が出たのも初めてのことだ。日本人を拉致するには、工作員の活動を助ける国内支援者が不可欠だった。朝鮮総連は北朝鮮の指導下にある団体である。工作員の密入国事件や不正輸出事件では関係者の関与が判明している。拉致事件でも、総連関係者が重要な役割を果たしていたことがうかがえる。

 原さんの事件では主犯格とみられる北朝鮮の元工作員・辛光洙容疑者が旅券法違反容疑などで国際手配されている。警視庁はさらに、韓国・済州島に居住する元工作員を共犯者として特定した。新たに辛容疑者とともに国外移送目的拐取などの疑いで国際手配する方針だ。韓国とは犯罪人引き渡し条約が締結されている。韓国政府に共犯者の身柄の引き渡しを早急に求め、元理事長とともに取り調べる必要がある。他の拉致事件も含め、朝鮮総連の関与の有無や国内の協力者を特定する作業を進めなければならない。

 辛容疑者は85年、韓国に不法入国して逮捕され、北朝鮮スパイとして死刑判決を受けたが、南北首脳会談の合意で2000年9月、他の政治犯らとともに北朝鮮に引き渡された。その後、国家行事などに出席して喝采を浴びるなど、本国で英雄扱いされている。地村保志さん夫妻と横田めぐみさんを拉致した疑いもある男だ。韓国当局の調べに対し「金正日総書記から直接指示された」と供述している。「特殊機関の一部が妄動主義、英雄主義に走った」との総書記の弁明は、白々しい限りだ。

 辛容疑者が韓国で服役中の90年に、土井たか子・前社民党党首や菅直人・民主党元代表が辛容疑者を含む政治犯の無罪放免要求書に署名していた。当時の社会党など一部政党は北朝鮮に迎合し、拉致事件の存在すら認めてこなかった。政府の対北朝鮮外交も弱腰だった。安否が不明の拉致被害者11人の消息についても、北朝鮮の対応は極めて不誠実だ。犯罪事実の徹底解明こそ、北朝鮮への圧力となる。


 23日に行われた朝鮮総連施設に対する強制捜査に対して、総連本部や北朝鮮本国は、日本公権力の乱用であるなどと非難しているようですが、24日付けのよみうり寸評にある通り、非難されるべきことがあるとすれば、遅すぎ、今まで甘すぎた対応です。ご存知の方も多いと思いますが、二つ目の記事にもある通り、拉致の実行犯である辛光洙が過去に政治犯として韓国内で逮捕され、死刑判決を受けていたとき、こともあろうか土井たかこ氏を初めとした、旧社会党中心の国会議員達が韓国に対して、速やかに釈放をするようにという要望書を出しているという、今から思えば信じられない愚行がなされていました(詳細はこちら→辛光洙を含む「在日韓国人政治犯の釈放に関する要望」 )。


土井たかこ署名

  ここに名を連ねている方は恥を知って欲しいです。このような政党が総理大臣を出すほどの力を持っていた時代があったのですから、当時の日本が如何に病魔に冒されていたかがわかります。 

 今回の捜査で、辛光洙等に対して改めて逮捕状を請求すると報道がされていましたが、私は個人に対する逮捕自体を主目的にすべきではなく、そこにだけスポットライトを当てるべきではないと考えています。末端の個人を逮捕したとしても、それだけでは何の解決にもなりません。被害者全員の帰国はもちろんですが、上記記事にもあるように、拉致を行うには日本内部のネットワークを利用した、在日朝鮮人達の協力が不可欠であったのは間違いないく、それを統括指揮していたと思われるのが朝鮮総連です。今まで暗黒のベールに包まれ、日本人がそこへ触ることがタブーでありましたが、その悪事を白日の下に曝け出し、今までの清算と今後の朝鮮総連という存在自体の是非を問う必要があります。また金正日は、拉致は一部機関の暴走であったという説明で自らの責任を否定していますが、この拉致の指令を出していた根本は北朝鮮本国の中枢であり、それが金日成であり金正日であるならば、そこへの糾弾も恐れずに行うべきです。決して、末端の実行犯が解明されたからと言って満足してよい事件ではありません。

  ”北朝鮮を刺激する”などという馬鹿馬鹿しい理由により、総連本体の捜査や北朝鮮中枢への糾弾にブレーキがかからず、今回の捜査をきかっけとして今度こそ然るべき措置がなされることを強く期待します。




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参考書籍:

マンガ金正日入門-拉致国家北朝鮮の真実
李 友情 李 英和
4870315750
わが朝鮮総連の罪と罰
韓 光煕
4167679418