暗闇の中で・・・
風邪っぴき期間中にもうひとつ行ってきた場所。
昨年お友達に薦められてからずっとずっと行きたいと思っていた所です。
光っちゃって看板がよく見えないですね・・・
これは 「暗闇のエンターテイメント」 と言われているイベントで、
参加者は完全に光を遮断した空間の中へ、何人かとグループを組んで入り、
暗闇のエキスパートであるアテンド(視覚障害者)の方のサポートを受けながら、
様々なシーンを体験する・・・ というもの。
もっと早く感想をUPしたかったのですが、あまりにも思いが巡り過ぎて、
なかなか言葉に出来なくて。
始まる前は、
「全くの暗闇」 ってどんな感じなの??
本当に見えないなんて、ちょっと怖い・・・ とドキドキ。
そして、実際に白杖を渡され、使い方の説明を受け、
少しずつ明かりを落とした段階を経て完全暗闇の世界へ。
光がないところでは、目が慣れてくるということがありません。
目を閉じても開いていても、全く同じ暗さです。黒一色です。
本当に初めての体験でした。
これが、目が見えない世界なんだ・・・
一緒に参加した友人、私も含め7名(+アテンド)のグループで行動しました。
薄明かりの中で自己紹介をしてすぐに暗闇の中へ。
最初にご挨拶しかしてなくて、名前もやっと覚えたくらいの初対面の仲間たちとの交流。
見えなくなったら、見た目で覚えた名前の記憶は役に立たず、
お互いの声と触れる感触だけを頼りに、相手を確認して覚えていきます。
驚いたことは、見えない世界に入った方が、一気に親密になれるということ。
見えない中でぶつかるたび、触れるたびに声を掛け合って、名前を確認しあって・・・
「これは誰?」 「私、○○ちゃんだよ」 「○○ちゃん?」
ニックネームで呼ぶことさえ躊躇なく出来てしまうのです。
年齢、性別、見た目・・・何も関係ない。
自分はいかに目に見えるものでジャッジしていたかということにも気づかされました。
心の目で見ること、心で繋がること・・・
ヨガや心の学習を通してそれらの学びの途中ではあったけれど、体感出来たことに感謝です。
そして、人は一人では生きていけないのだということ、
お互いに支えあって助け合って生きているのだということも痛感しました。
昨年から 「自立と依存」 について、自分の中で葛藤してる部分があり、
そのことも含めあらたに考えることも出来ました。
そして、見えない世界では、素の自分というのも発見。
入る前はビクビクしてたくせに、いざ入ってみたら、
ものすごい好奇心で出来る限り動いたり触ったりしようとしてる私がいました(笑)
「暗闇だるまさんが転んだ」 では一番だったり、
まごまごしてる仲間の手を誰彼構わずつかんでは、
「ここに○○があるよ! 触ってみな!」とかやってるし(笑)
なにげに仕切り屋なの? 私?
それから。
暗闇に入る前には、アテンドの方を白杖を持った「視覚障害者」の方として見ていました。
見えなくて大変だなぁ・・・と。
意識はしていなかったけれど、そうだったのだと思います。
それが、暗闇で自分の視覚が奪われた途端、アテンドの方がものすごく頼もしい頼れる存在になったのです。
立場が逆転したのです。
このことも自分の感覚を大いに揺さぶることになりました。
90分があっという間でした。
そして、最後に 「このカーテンの向こうは光のある世界です」 と言われた時の、
なんとも言えないガッカリしたような気分・・・
もっと暗闇にいたかった・・・ なぜかそう思いました。
見え過ぎる世界よりも、シンプルな見えない世界で自分の五感をフルにつかって過ごすことが、
ある意味心地よかったのかもしれません。
言葉では言いつくせない貴重な経験が出来たと思います。
この間から、会う人ごとに薦めまくっています(笑)
もう一度、風邪ひいてない時に行きたいです。
嗅覚と味覚の変化をもう少し味わいたいな~と思って。
興味のある方は、是非。 本当におススメです。