昨日、弦楽合奏団弓組の第3回公演にて、その夢が叶いました。
作詞は、今公演のゲストミュージシャン伊藤大輔さんにお願いしました。
おそらく、啼鵬さんから具体的な「指示」的なものはなかったと思うのですが、作詞をお願いした伊藤大輔さんから返ってきた言の葉は、紛れもなく伊藤さんの詩の世界でありながらも、啼鵬さん自身の姿がそこに見えるような、素晴らしい詩でした。
感性が響き合うというのはこういうことを言うのですね。
「誰もいない駅のホームに.…」と始まるこの歌、実際「電車」は「常磐線」をイメージして作ったそうです。
その列車に乗って行けば、いつでもそこに行ける。
会いに行ける。
ふるさとに帰れる…
誰もがそう思っていました。
それがある日突然、ここから先には行けません、今日からは会えません…と突き放されたときの衝撃と心の震えを想像できますか?
(常磐線は今なお、原発警戒区域にあたる一部の区間で運休が続いています。)
しかしストーリーはそこには直接触れてはおらずく、「震災」「復興」という言葉が一切登場しない応援歌「along with you」が出来上がったのです。
伊藤さんご本人が「ラブソングと捉えてもいいかもしれない」と仰るとおり、広い意味で、愛や絆が歌われています。
震災とは関係なく「近くて遠いふるさと」に対する思いという捉え方もできると思います。
ただ、例えば3.11の震災で…
いつでも行けると思っていたふるさとに突然行けなくなり、いつでも会えると思っていた親兄弟、友人…大切だったあの人に二度と会えなくなり、昨日までそこにあったものが跡形もなく姿を消すという現実があったのです。
そこへ繋がる道を取り戻すために私たちは何をすればよいのでしょう。
どうすればよいのでしょう。
強くなればよいのでしょうか…?
いつどこで演奏しても素晴らしい曲であることに変わりはないけれど、いつか…
被災地で、伊藤さんの歌で、この曲を聴いてほしいな…と思う。
願わくは、音楽ホールではなく…
小学校の体育館なんかでやってみたいなぁ。
伊藤大輔さんの詞、本当に素晴らしいです。
これがalong with youなんだな…と、あらためて思いました。
伊藤さん、本当にありがとうございました。