あれから16年 | IN VINO VERITAS

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とあるヴァイオリン弾きの日々雑感

6000人以上の方の命を奪った震災であるということの大きさ重さはもちろんなのだけれど、大切な人を失った哀しみや苦しみを抱えている人はそれ以上いるということもまたとても重要なことだ。

記録として残るのは損壊した家屋の数や死傷者の数だけ。
目に見える「数字」しか残らない。

が、実際にはその周囲、背後に、実に多くのダメージがあり、今なおその哀しみや苦しみを抱えて生きている人がいる。

それが6000人をはるかに上回る数である云々だけでなく、被害というのは数値では計れないということ。
心の被害は数値では表せないということ。
それを忘れてならない。

記録に残せないものを残すのが、記憶だ。

体験していない私には、「被害の記憶」はない。
だからこそ、「大切な人を失った人がいる」ということを深く胸に刻み、その思いを忘れずに生きることが大事なのだと思う。

震災はまだまだ続いている。

そして戦争も…まだ終わっていない。

…ということを忘れずにいたい。

黙祷。