☆ピスコ7.9騒動の顛末 | LA BODEGA PERUANA

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ペルー色々盛り合わせ


地震からほぼ10日後の話。


生産相のラファエル・レイが、

地震後支援してくれた国々に

ペルーが世界に誇るお酒ピスコを、感謝の印として送ることを発表しました。


しかしよくなかったのはそのピスコにつけられた名前です。



ピスコ7.9



大胆にもその地震のマグニチュードを銘柄の中に取り入れていたのです。


このネーミングには


「無神経だ!」

「被害者の気持ちを考えてみたのか!」

「災害を売り物にするな!」


当然のごとく非難の嵐で、

すぐさま銘柄の変更を余儀なくされました。


この非難の矢面に立たされたのは銘柄を発表した生産省大臣のラファエル・レイ。


そのかれが、8月31日、その経緯を説明しました。





…地震の日、まさに彼は生産省の建物内で

ピスコの漁業組合の代表者15人と、会合を開いている最中でした。

激しい揺れが起こったすぐ後


彼らと一緒に建物を出たんだ。

 しかしもちろん誰もそのときは、震源地がまさにピスコだなんて思いもしなかったよ


彼は漁師たちに家族と連絡を取るように指示し、大統領と官邸で面会した後、

すばやく飛行機でピスコへと向かいます。


すぐに飛行機でリマを出て、国会議長と一緒にピスコについた。

 すぐさま倉庫や空港で不足物資の調達に力を注いだよ。

 しばらくしてピスコの中心街に向かったんだ


倒れてきた壁の下敷きになって足がぐちゃぐちゃになった女性と一緒に泣いたり

町の惨状を見たときは涙が数滴こぼれたが、励ましの微笑を絶やさないように心がけた、等々、

生産相は自分がいかに心を痛めたか、そして救済活動に力を注いだか強調しました。


しかし例のネーミングについて聞かれたとき、明らかに声のトーンを変え


俺にとってはこのテーマは決して気分のいいもんじゃないんだがな…」


そして語り始めます。


被害を受けたピスコの猟師たちが自らな、援助をしてくれた国々に感謝の印として

 ピスコを1000本贈呈してはどうかというんだよ。

 だから専門家に名前をつけさせたんだ


そして出てきた名前は



「感謝の7.9」



地震の大きさに負けないくらい感謝してますよ、ということだったんだよ。

 そん時はみんないいアイデアだと思ったんだ…


そして23日、ラファエル・レイはマスコミとの記者会見の終わりに

レイのラベルが張ってあるビンを取り出しました。


マスコミの反応はおおむねよく、


なんてすばらしいアイデアなんだ!」


そのボトルと一緒に上機嫌の大臣をたくさんのマスコミが写真に撮ります。



もしかしたら発表をもうちょっと待ったほうがよかったかもしれない。

 別に緊急じゃなかったんだから…。


 …もしかしたら説明が足りなかったかもしれない。

でもそのときは誰もそんな誤解が生まれるなんて、考えもしなかったんだ




大臣によると銘柄は最終的に


感謝のピスコ


に落ち着くだろうとのことです。


そうしとこう。それがいいよ



最後まで弱気なのでした。