ニーゼ 〔 @第28回東京国際映画祭・東京グランプリ受賞作品 〕 | 今日も映画馬鹿。

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第28回東京国際映画祭
■コンペティション

インターナショナル・プレミア上映




東京グランプリ
最優秀作品賞〕

最優秀主演女優賞〔グロリア・ピレス〕

二冠受賞作品





ニーゼ
Nise - The Heart of Madness  
Nise - O Coração da Loucura


109分/ポルトガル語/カラー/ビスタサイズ/2015年 ブラジル映画









監督/脚本 : ホベルト・ベリネール
プロデューサー : ホドリーゴ・レチエル
撮影監督 : アンドレー・オルタ
美術 : ダニエウ・フラックスマン
編集 : ペドロ・ブロンズ
音響 : フランソワ・ウルフ
音楽 : ジャッキス・モレレンバウン



キャスト
グロリア・ピレス
ファブリシオ・ボリヴェイラ
アウグスト・マデイラ
フェリッペ・ホッシャ
シモーネ・マゼール
ジュリオ・アドリアォン
ホネイ・ヴィレラ
クラウジオ・ジャボランジー




作品解説
ショック療法が正しいものとされ
暴れる患者を人間扱いしない精神病院に、女医のニーゼが着任する。
芸術療法を含む画期的な改革案を導入するが、彼女の前に男性社会の厚い壁が立ちはだかる。
ユングの理論を実践し、常識に挑む勇気を持った精神科医の苦闘をストレートに描く感動の実話。

ベルリネール監督は、過去にブラジルのストリートを生き抜く盲目の3姉妹や、
飛行機事故で体の自由を失ったロックスターなど
苦境を跳ね返す人物に焦点を当てたドキュメンタリー作品を監督している。

実在した不屈の女性精神科医は、監督が2本目の劇映画に取り上げるには格好の人物であり
無意識の領域を重視したユング理論をブラジルに導入し
芸術療法の分野に功績を残したヒロインの姿が見事に再現されている。
保守的な業界の常識に正面から立ち向かうタフネスが、現代人へのメッセージとして突き刺さる。
ニーゼを演じたクロリア・ペレスは、5歳でテレビドラマに出演して以来
40年以上のキャリアを誇るブラジルを代表する女優のひとりである。




監督/ホベルト・ベリネール
1978年に映画、ビデオ業界で仕事を始める。
“Born to be Blind”(04)“Pindorama”(08)“Herbert de Perto”(09)“Ruckus at the Circus”(13)などの
ドキュメンタリーを監督してきた。
2014年に初めての長編劇映画“Julio Sumiu”を手掛けた。本作が2作目の劇映画である。



以上の作品データは、



東京国際映画祭公式サイトより抜粋しました。





上映前に

ホベルト・ベリネール監督が登壇して

舞台挨拶がありました。




奥様と来日されていて

お二人で日本旅行をしようとしていた矢先に受賞の報が届いたそうです。

















実在の人物達による真実の重みがズシリと響くヒューマン・ストーリー。



女性差別や精神病患者への非人道的な対応がはびこる

男性優位の封建的な精神病院に着任した

女医ニーゼの揺るぎない信念による魂の治療が心に沁みます。



患者の自主性を尊重したニーゼの診療方法により

それまで無感情だったり凶暴だったりした患者たちを徐々に変えて行きます。

とりわけ絵を描くことにそれぞれが個性を現し

やがて画廊で展覧会を開くまでに至りますが、

ニーゼの単独治療を好ましく思わない

病院の男性既存医たちによる理不尽な仕打ちは非情に振り下ろされます。



一瞬にして事態が急転悪化した時の

ある患者の「 与えておいて、何故奪うのだ 」という叫びが突き刺さります。



最優秀主演女優賞に輝いた

ニーゼを演じるグロリア・ピレス

不屈の精神を全うする圧倒的な佇まいが印象的です。



かなり重たい作品でしたが、

人間の生きる尊厳をたゆまなく明示する力作です。



































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