ついに待ちに待った
コウノドリ第7巻
発売です


表紙カッコいいね!

さて
今回は丸ごと

NICU(新生児集中治療室)編

でした

最近コウノドリが
ややマンネリ化してきた印象だったけど

今回の話は

これ1冊で
映画化しても良いくらい
内容が濃くて
タメになる話だと思います

読んでて泣きそうになっちまった





注)以下凄まじいネタバレあり!


======
NICU

小児科の中でも
新生児を専門に扱う分野

そして

私達産科医が
足を向けては寝れない存在です


近年
小児科希望者は増加しているのに
新生児科はなり手が
どんどん少なくなっています

それは
一般的な小児科業務とは
全く異なる専門職だから

このお話を通じて
その理由の一旦を共感して頂けたらと
切に願います


始めに状況説明だけど


お話のところどころに

「うちの病院の
NICUベット数は
12床です」

という言葉が出てきます

早期で産まれてしまった
子供の為の
入院設備が12個ある


という意味ですが

皆さんは
この数字が
多いと思いますか?
少ないと思いますか?

実はね
12床のNICUというのは
全国でもかなり大きな施設です


全国探しても
NICU病床数が
12よりも多い施設は
20施設に満たないです


NICU入院が必要な分娩は
1000分娩に対し
おおよそ3床と言われていて
その計算だと、
日本では年間約100万の分娩があるので
全国で約3000床のNICUが必要
と言われていますが、現状全く足りていません
(統計みたら平成23年で約2300床でした)

この様に
大病院のNICUベッドは
慢性的に不足していて
常に一杯の状況にも関わらず
新生児科の医者は足りない

非常に切迫しております


さて、
今回のお話は
そんな地域医療を支えている
大きな新生児医療医療を
有している病院の話です

まずお話の大きな転機に

妊娠23週
推定体重600g

切迫早産受け入れの状況が
描写されています

産科の先生が
23週の受け入れが
可能かどうか

小児科の女医さん(新井先生)に
尋ねるシーンです


結局
新井先生は
一度は断るものの
なんとかベッドを調整して
その妊婦さんの受け入れを
許可します


この様に
母体搬送の依頼を受けた時

すぐに出産になりそうな場合は
産科だけでなく、新生児科
さらには緊急手術に備えて
麻酔科までが受け入れ可能かを
判断しなくてはなりません

新井先生は
ベッドが満床にも関わらず
なんとか受け入れを決断します

自分達が受け入れをしないと
23週の赤ちゃんは
確実に助からないから


です

NICUを持つ施設の医師は
常にその意識を持っています

【自分が受け入れなくては
赤ちゃんが助からない】


万床のベッドを
ギリギリのスタッフで運営しているのに
それを超えて患者を受け入れる

完全に容量オーバーなのですが
これが新生児医療の現状です

さらに日本では
切迫早産の定義は
22週以降
世界で最も早い週数設定です

医療技術が進んで
確かに早い週数でも
命を助けられる様になりましたが

救命する
≠何も異常が無く育つ


早い週数で産まれた赤ちゃんが
増えれば増える程
出生後に必要な処置が増え
長期入院が必要なケースが増え
新生児科の先生が
休める時間が削られていくのです


その様な現状を知った上で
第7巻を読み直すと
より緊迫感を理解頂けるかもしれません


さて、
後半部分は
産まれた新生児の
その後を

・親の葛藤
・医師の葛藤
・親・医師の関係性の変化


を本当に上手に表現しながら
話が展開されます

結局
3人の新生児が
それぞれの転帰を迎えるのですが

新生児(未熟児)には
いつ・何が起こるか
予想が出来ない

良い結果となる事も
悪い結果となる事も
ある

非常に
リアルに表現しています

さて、
新井先生ですが
様々な葛藤があった後
結局新生児科医を
ドロップアウトしてしまいます


中盤で
挿管手技を行う時に
患者さんに言われた

「何故助けたんですか?」
(頑張ってベッドをあけて
容量オーバーで受け入れて
赤ちゃんを助けたのに言われた言葉ですね)

の言葉が
頭に浮かんでしまい
救命処置を行う事ができませんでした

読んでいて
すごく共感してしまい
非常に苦しい場面なのですが


新井先生や
下屋先生・白川先生
若い医師達が

表情豊かに
色んなセリフを
しゃべってたり
悩んだりする一方


コウノトリ先生や
新生児科長の今橋先生は

感情の起伏があまり無い
と思いませんか??


実際に医者をやっていると
感情の起伏って
だんだん無くなっていきます

というよりも
あえて感情の起伏を
抑えているのです


・どんな状況変化がおこっても
・患者さんから怒りをぶつけられても
・難しい選択を迫られようと


医者がそれに合わせ
心を乱してしまうと
状況判断を誤る事が
往々にしてあるから


です


ちょうど前回の記事で使った
http://ameblo.jp/kyusan0225/entry-11967095440.html
↓↓



この様な心の状態を
なるべく保とうとしています

これまでの
経験や失敗、反省
患者さんの言葉
様々な壁を乗り越えて

だんだんと形成されていく

言ってみれば
医者にとっての
一つのスキル
みたいなものなのですが

実は
真面目で
完璧主義で
深く悩みやすい

医者に限って

この壁に打ち当たった時に
逆にそれを
乗り越えられない事があります
(産科でも
ドロップアウトする医師は
沢山います)

・こんな事もある
・やれる事をやっても
 助けられない事もある


ある程度
この様な考えを持たないと

とてもじゃ無いけど
持たないのです

新井先生は
表面上はその様に考えて
今まで仕事をしてきたけど

今回の話で
それが崩壊してしまったのだと
思います


新井先生は
結局新生児科には
戻ってこなかったのだけど

こちらの方が
変にくさいドラマの様にならず

リアルを描いてくれていて
良かったのかなと思います


コウノドリ第7巻

本当に面白かったです!
皆さんも是非!




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