エビリファイ 小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性の適応追加承認 | kyupinの日記 気が向けば更新

エビリファイ 小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性の適応追加承認

上はエビリファイのさまざまな剤型。1mlの液剤の包装はピンクである。

 

エビリファイの1mlの液剤発売の記事では、これは自閉性スペクトラム障害への適応を見据えての発売であろうと記載している。以下は再掲。(エビリファイ内用液1ml追加発売の予定

 

今回のエビリファイ1mlはちょうど1㎎になるが、自閉性スペクトラムへの適応拡大などを視野に入れているのではないかと思われる。液剤1ml包装なんて、いかにも小児向けだからである。
 

今回、大塚製薬株式会社のサイトでは、以下のようにアップされている。

 

大塚製薬株式会社(本社:東京都、代表取締役社長:樋口達夫、以下「大塚製薬」)は、抗精神病薬「エビリファイ(一般名:アリピプラゾール)」に関して、「小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性」の効能追加、および「エビリファイ錠1mg」の剤形追加の製造販売承認を9月28日に取得しました。
 

その詳細として、

 

「エビリファイ」は、当社創製の抗精神病薬。「統合失調症」「双極性障害における躁症状の改善」「うつ病・うつ状態」に次ぐ4つ目の適応症となる「小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性」の追加承認を取得。開始用量である「エビリファイ錠1mg」の剤形追加も承認。

 

国内の自閉スペクトラム症の患者数は約10万人であり、かんしゃく、攻撃性、自傷行為、またはこれらの複合行為の行動障害(易刺激性)を呈することがある。そのような患者さんへの治療薬は少なく、安全に使用できる薬が望まれていた。


「エビリファイ」は、米国で2009年に小児患者さんに対する「自閉性障害に伴う易刺激性」の承認を受けた。日本においても、医療上の必要性の高い薬として開発要請を受け臨床試験を実施した。

 

とある。なお、自閉症に何らかの適応を持つ薬は、オーラップ、リスパダール、エビリファイになった。(添付文書上)

 

オーラップ

1.統合失調症。
2.小児の自閉性障害、小児の精神遅滞に伴う次記の症状:動き、情動、意欲、対人関係等にみられる異常行動、睡眠、食事、排泄、言語等にみられる病的症状、常同症等がみられる精神症状。

 

リスパダール

1.統合失調症。
2.小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性。

 

この2つは、小児に処方するにはEPSを始め副作用の点で問題が多い。エビリファイは相対的にこれら2剤より副作用は軽い薬である。しかし、いずれにせよ自閉性スペクトラムの随伴症状(2次症状)に対し処方されるものである。

 

なお、今回のエビリファイの添付文書では、1㎎から開始し最高15㎎までとなっている。実際には年齢にもよるが、比較的低用量で処方されると思われる。