一生住むならどこが良いか？
時々、夫婦で、一生住むならどこが良いか？という話が出る。嫁さんは一生住むなら東京なんだそうだ。あまりにも何も考えていない安易なものだが、女性が都会好きに傾くのはわからないでもない。
一応、個人的に海外は論外である。これも嫁さんはわかっていないようだったが、僕が色々話したところ、「海外に住むのは意外に困ることが多い」くらいはわかってきている。（例えば兵役義務がある国←シンガポールに家族で移住した人が唖然としたという）
先日、テレビで大橋巨泉氏が出ており、クイズダービーが放映されていた。期間限定、つまり今回だけである。久しぶりだったし問題も面白いし十分に楽しめた。
現在、大橋巨泉氏は癌で闘病中である。彼は日本で治療を続けているが、おそらくオーストラリアで治療を受けた場合、高度医療だと治療費が莫大になることもあると思われる（無料の病院にかかれる資格があったとしてもそうせず有料の病院に行くだろう）。
彼はオーストラリアのクイーンズランド州にオーストラリアの自宅があり、お土産店などの事業も行っている。
それでもなお、彼が日本で医療を受けているのは、オーストラリアより医療費が安いだけでなく、医療レベルも日本の方がずっと高いことも大きい。また大橋巨泉氏ほどの知名度があれば、レベルの高い医師にかかることも容易だと思われる。オーストラリアにいたままだと、そのメリットも全然ないに等しい。
日本の医療の特徴は保険制度もあり、アクセスが非常に良いことである。生活保護の人でもそうでない人と遜色ない医療が受けられる。（ジェネリックを優先して使えなどいくらか制約はあるが。）
先日、アメリカで貧困のため癌の治療が困難な人たちの寄付を請け負う会社が、何百億といった額の横領（詐欺）をしていたというニュースが紹介されていた。アメリカはお金さえ出せば高度医療が受けられるものの、お金のない人たちには極めてアクセスが悪い国なのである。アメリカ人によると、医療保険の整備は共産主義的な発想だと言う。
うちの嫁さんは、成田空港で訪日外国人にインタビューし、時に同伴までして撮影する番組「Youは何しに日本へ？」をよく観ている。ある時、あるアメリカ人は足を怪我し、日本の整形外科医院でレントゲン撮影を受け湿布を貰ったが、医療保険もないのに医療費が驚くほど安いと話していた。
つまり、日本は保健がなかったとしても、世界的にも安価な医療費しかかからない国なのである。また公的保険によるため、医師による技量の差もほとんど医療費に反映しない。
日本からハワイに移住した人たちの番組を観ていると、ハワイ在住の日本人女性が、朝のジョギング中に心肺停止を起こし病院に搬送され救命したが、医療費が1000万円を超えたという。ところが、個人で医療保険に入っていたので免責額の2～3万円で済んだようである。このような際、翌年から医療保険料が日本の車の任意保険のように値上がりするかどうかまでは詳しくない。
海外に渡航もそうだが、移住には医療費の問題はかなり大きな制約になる。また、老人ホームやケアハウスでの人種差別的な扱いも十分にありそうに思える。（オーストラリアでの人種差別的扱いによる「不愉快なおもてなし？」は10年前より増えている。これはマナーの悪い中国人観光客の著しい増加も関係している。彼らには中国人も日本人も区別がつかない）。
日本国内はどこに住もうと医療は関係ないかと言うと、そうでもない。というのは、今住んでいる都市以外は、精神科医以外の医師の知人がほとんどいないからである。過去ログで、リエゾン先に相談したら、すぐに診てもらった話が出てくる。皮膚科の友人も、「○○先生、夕方4時半に来てよ」と言われて行くと、即診察してもらえた。普通に行けば2時間待ちは必至なのである。
自分が医療を行っている都市に住むことは、医療を受ける際に非常に都合がよい。
自分の年代になると、友人は大病院の院長か副院長になっていることも多い上、個人の開業医として、結構評判が良いところも多い。
ある時、嫁さんが病気になった時、どこにかかれば良いかわからず、関東に住むその専門の科の友人に相談した。なんと自分の市にベストの医師がいたのである。その受診した医師は自分が知らない医師だが、それでも何の迷いもなく行けるのは相当にメリットである。（少なくとも、流行っているかどうかではなく、医療技術の真の実力がわかりやすいのがよろしい。）
色々な医療機関にかかる際に、大学時代の友人から辿れる人脈は非常に大きい。
そのようなことから、沖縄などの観光地や東京などの大都市は良さそうに見えて、良いとは言い難い。
結局、今の市に住み続けるのが最も良いんでしょうなあ・・
今はそれほどではないけど、歳をとればとるほど、そのメリットは大きくなるんだろう。
と言う結論になった。
参考
自殺未遂の治療に健康保険は効くのか？
逸見さんと筑紫さんの癌について
海軍の精神科医
一応、個人的に海外は論外である。これも嫁さんはわかっていないようだったが、僕が色々話したところ、「海外に住むのは意外に困ることが多い」くらいはわかってきている。（例えば兵役義務がある国←シンガポールに家族で移住した人が唖然としたという）
先日、テレビで大橋巨泉氏が出ており、クイズダービーが放映されていた。期間限定、つまり今回だけである。久しぶりだったし問題も面白いし十分に楽しめた。
現在、大橋巨泉氏は癌で闘病中である。彼は日本で治療を続けているが、おそらくオーストラリアで治療を受けた場合、高度医療だと治療費が莫大になることもあると思われる（無料の病院にかかれる資格があったとしてもそうせず有料の病院に行くだろう）。
彼はオーストラリアのクイーンズランド州にオーストラリアの自宅があり、お土産店などの事業も行っている。
それでもなお、彼が日本で医療を受けているのは、オーストラリアより医療費が安いだけでなく、医療レベルも日本の方がずっと高いことも大きい。また大橋巨泉氏ほどの知名度があれば、レベルの高い医師にかかることも容易だと思われる。オーストラリアにいたままだと、そのメリットも全然ないに等しい。
日本の医療の特徴は保険制度もあり、アクセスが非常に良いことである。生活保護の人でもそうでない人と遜色ない医療が受けられる。（ジェネリックを優先して使えなどいくらか制約はあるが。）
先日、アメリカで貧困のため癌の治療が困難な人たちの寄付を請け負う会社が、何百億といった額の横領（詐欺）をしていたというニュースが紹介されていた。アメリカはお金さえ出せば高度医療が受けられるものの、お金のない人たちには極めてアクセスが悪い国なのである。アメリカ人によると、医療保険の整備は共産主義的な発想だと言う。
うちの嫁さんは、成田空港で訪日外国人にインタビューし、時に同伴までして撮影する番組「Youは何しに日本へ？」をよく観ている。ある時、あるアメリカ人は足を怪我し、日本の整形外科医院でレントゲン撮影を受け湿布を貰ったが、医療保険もないのに医療費が驚くほど安いと話していた。
つまり、日本は保健がなかったとしても、世界的にも安価な医療費しかかからない国なのである。また公的保険によるため、医師による技量の差もほとんど医療費に反映しない。
日本からハワイに移住した人たちの番組を観ていると、ハワイ在住の日本人女性が、朝のジョギング中に心肺停止を起こし病院に搬送され救命したが、医療費が1000万円を超えたという。ところが、個人で医療保険に入っていたので免責額の2～3万円で済んだようである。このような際、翌年から医療保険料が日本の車の任意保険のように値上がりするかどうかまでは詳しくない。
海外に渡航もそうだが、移住には医療費の問題はかなり大きな制約になる。また、老人ホームやケアハウスでの人種差別的な扱いも十分にありそうに思える。（オーストラリアでの人種差別的扱いによる「不愉快なおもてなし？」は10年前より増えている。これはマナーの悪い中国人観光客の著しい増加も関係している。彼らには中国人も日本人も区別がつかない）。
日本国内はどこに住もうと医療は関係ないかと言うと、そうでもない。というのは、今住んでいる都市以外は、精神科医以外の医師の知人がほとんどいないからである。過去ログで、リエゾン先に相談したら、すぐに診てもらった話が出てくる。皮膚科の友人も、「○○先生、夕方4時半に来てよ」と言われて行くと、即診察してもらえた。普通に行けば2時間待ちは必至なのである。
自分が医療を行っている都市に住むことは、医療を受ける際に非常に都合がよい。
自分の年代になると、友人は大病院の院長か副院長になっていることも多い上、個人の開業医として、結構評判が良いところも多い。
ある時、嫁さんが病気になった時、どこにかかれば良いかわからず、関東に住むその専門の科の友人に相談した。なんと自分の市にベストの医師がいたのである。その受診した医師は自分が知らない医師だが、それでも何の迷いもなく行けるのは相当にメリットである。（少なくとも、流行っているかどうかではなく、医療技術の真の実力がわかりやすいのがよろしい。）
色々な医療機関にかかる際に、大学時代の友人から辿れる人脈は非常に大きい。
そのようなことから、沖縄などの観光地や東京などの大都市は良さそうに見えて、良いとは言い難い。
結局、今の市に住み続けるのが最も良いんでしょうなあ・・
今はそれほどではないけど、歳をとればとるほど、そのメリットは大きくなるんだろう。
と言う結論になった。
参考
自殺未遂の治療に健康保険は効くのか？
逸見さんと筑紫さんの癌について
海軍の精神科医