ストラテラの医師向けのパンフレット | kyupinの日記 気が向けば更新

ストラテラの医師向けのパンフレット

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先日、ADHDの正しい理解と対応のために(本人、家族向け冊子) という記事とパンフの画像をアップしている。

今回は、医師向けのパンフレット。これは32ページにも及ぶ大作である。一部は前回のパンフレットとかぶっているがそのまま順番にアップしている。

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このパンフレットをアップした理由だが、ADHDとストラテラの薬効などが、図解なども使い簡単にまとめられているため。1冊の成書を読むより難易度は低いし読みやすいと思う。

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小児期にADHDと診断された人たちの多くが成人になっても寛解せずに症状が残遺してると記載。

また、年齢が上がるにつれて、症候的、症状的、機能的寛解の割合は異なっている。

症候的>症状的>機能的

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成人ADHDの日常の困難さについて。

表題の右側が切れているのは、すぐ下の画像と見開きになっていたため。上から下に繋げてお読みください。

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多動性、衝動性、不注意の内容について、成人、小児を対比して記載されている。

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家庭内や社会でのさまざまな困難さについて。

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特に下の図に注目。

成人ADHDは不安障害を呈すことが多く、それに次ぐのはうつ病と双極性障害である。

このブログでは、「神経症は器質性疾患である」と記載している。全てがADHDに由来するわけではないが、個人的に、神経症は器質性疾患という臨床感覚と一致する。

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成人ADHDの診断アルゴリズム。

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医師向けなので、ここからはストラテラの薬理作用、副作用、治療成績などの説明。

一般の人にはやや難しいと思うが、全然わからないというほどではないと思う。

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ADHDの原因の1つとして、前頭前野の機能不全が考えられています。

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ストラテラがどのように作用するかなど。

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ストラテラにより、前頭前野のノルアドレナリンとドパミン濃度が上昇したとある。セロトニンには影響していない。(ラット)

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ストラテラは線条体および側坐核のドパミン濃度は上昇させていない。(重要な特性)

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ADHDの主たる症状に、プラセボに比べ、有意な改善がみられたとある。

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ストラテラの成人への推奨用量は80~120㎎。

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服用している本人が自覚する症状改善のスコアなど。

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この辺りの表は少し難しいかも。

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副作用について。何らかの副作用が出る人はかなり高い比率である。

副作用はプラセボに比べ2.5倍くらいである。プラセボでさえ、10%の人に傾眠が出ているのが不思議。

副作用はプラセボにも影響する。これは驚きだが、このようなことこそ、治験の難しさを反映していると思う。

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長期試験の結果。

48週間と言うと、ほぼ1年近い。

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時間が経てば経つほど、じわじわ効果が上がる傾向がある。

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初期に見られた悪心などの副作用は48週くらいたつと、ほとんど問題にならなくなることを示している。

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不眠症や頭痛の副作用は、プラセボもストラテラも頻度はあまり変わらない。

トータルとして、副作用は、プラセボが実薬に勝つことはないと思われる。それは逆に、プラセボが実薬に効果の点で勝つことがないのと同様である。(結構、重要)


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悪心、口渇、食思不振は半年くらい経つとほとんど感じられなくなる人が大半なのがわかる。

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最後は添付文書的な内容。

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