抗うつ剤と頭痛の副作用 | kyupinの日記 気が向けば更新

抗うつ剤と頭痛の副作用

抗うつ剤に限らず、向精神薬では頭痛の副作用が出るものがある。また、頭痛に治療的な向精神薬もある。

精神症状の1つとして頭痛がみられる人は、何らかの向精神薬を併用することで頭痛が緩和することがある。

継続せざるを得ない向精神薬を服用している際、主治医に頭痛を訴えた場合、それまでの処方を変更するよりはロキソニンなどの疼痛に効く薬を追加で処方されることの方が多い。

その理由は、原因かもしれない主剤を変更するより、頭痛薬を併用して改善させる方が精神面への悪影響がはるかに小さいことが大きい。主剤を変更するのは決断が必要だからである。

新しいタイプの抗うつ剤の頭痛の副作用頻度

レクサプロ 5%以下
リフレックス 5%以下
サインバルタ 9%以下
パキシル   10~29%
ジェイゾロフト 30~49% 
デプロメール  30~49%


これを見ると、レクサプロとリフレックス(レメロン)は新しいタイプの抗うつ剤の中では頭痛の副作用が少ないことがわかる。

また、パキシル、ジェイゾロフト、デプロメールの3剤は頭痛の副作用が結構多い。(なお、パキシルはアメリカでは頭痛の適応がある。)

サインバルタは、頭痛の副作用は時々聴く印象だが、頭痛が比較的少ない抗うつ剤のようである。

上記の表から、頭痛の副作用頻度は抗うつ剤によりかなり相違があるため、うつ状態やうつ病の治療中、慢性的な頭痛で悩んでいる人は抗うつ剤の種類を変えてみるのも一考である。

なお、ベンゾジアゼピン系抗不安薬や眠剤は、筋弛緩作用を持つこともあり、頭痛に対しては治療的であることが多い。ベンゾジアゼピンが直接、頭痛の原因になっていることは、臨床的にもかなり少ない印象である。

参考
SSRIの種類の変更による悪化について
レクサプロのQT延長以外の補足的な話