酒気帯び運転とみかん | kyupinの日記 気が向けば更新

酒気帯び運転とみかん

昔の飲酒運転の検査機器は精度が悪く、例えば、みかんをたくさん食べた後では、「飲酒している」と判定されることがあったらしい。今回は随分昔の話である。

ある年配の人が検問で飲酒運転(酒気帯び運転だったかもしれない)と判定され、罰金や行政処分を受けるようになった。

ところが、本人は飲酒した憶えはないし、第一、飲酒できないのである。

これは、アルコールを分解する酵素が一般の人に比べ、欠如しているか極めて少ないため。日本人では、このような体質の人が西欧人よりは多いと言う。

その男性は、家族に飲酒が無理なことを警察に訴えてもらったが、最初は相手にされなかった。

ところが、親友に弁護士の人がいたので、そのことで相談した。

彼は酒が全く飲めず、例えば奈良漬を食べてもフラフラになり、顔が真っ赤になって動けなくなるほどであった。

そのような人が、飲酒して運転が正常にできるはずはない。また、それを証言してくれる人が山ほどいたのである。

彼はその日に「みかん」を食べていたため、飲酒の判定機器が誤って「陽性」と判定された。当時の精度はその程度の能力だったのである。

結局、その弁護士の友人が警察と交渉し、友人も皆が証言してくれた。最終的に警察が誤りを認め謝ったという。その結果、裁判にもならず罰金や行政処分も取り消された。

家族や親しい友人に、医師と弁護士がいると非常に助かるという話があるが、これはまさにその通りだと思う。

参考
なぜ精神科医になったんですか?