休む日をつくるおばあちゃん | kyupinの日記 気が向けば更新

休む日をつくるおばあちゃん

新婚旅行でヨーロッパに行った際、同じツアー客に高齢のおばあちゃんがいた。彼女は独りで参加されていたのである。

今は良く知らないが、当時の添乗員が付く海外旅行は日程や日々のスケジュールがタイトで体力がないと持たないものであった。

つまり、せっかく海外旅行に来たのだから、できるだけたくさんの観光地を回ろうという欲張りな発想である。

彼女は旅慣れているのか、ツアーで買い物をする際に、商品の目利きが良かった。「ここの商品はお値段ほどの値打ちがない」などの助言は非常に参考になった。当時の僕たちの買い物感覚はきわめてお粗末だったからである。

彼女は自分の体力を考えて時々お休みの日をつくり、その日は1日ホテルに滞在し、皆と同行しなかった。

そのツアーは朝6時半にフロントに集合とか、夜11時にホテル到着とか極めて過激なものだった。今だったらもちろん敬遠する。実際、帰国してから発熱し重い風邪を引いてしまったが、あれはストレスに加え体力の消耗も大きかったと思う。

朝からホテルに滞在など、しようと思えば易しいと思うかもしれないが、そうでもない。このタイプの数ヶ国廻るようなツアーは、夜、到着して翌朝出発し、もうホテルに戻らないこともあるからである。

つまり休息の日を入れるためには、そのホテルに2泊以上するスケジュールでないとできない。彼女は、それも考慮してしっかりお休みの日を入れていたのであった。

さすが、旅のベテランである。

僕たちはこのタイプの旅行はうんざりだったため、その後、スケジュールされた旅行は極力避けることにした。

たとえば、ハワイやオーストラリアは添乗員もなく、スケジュールされている部分は航空便とホテルだけである。だから、お昼まで寝ているとか、朝まで遊んでいるなども可能である。こういう旅行の方が僕たちには合っている。ストレスにならないし、海外に来ていると言う開放的な気分も味わえる。

あのおばあちゃんの旅の行動は、人生でも同じことが言えると思う。