ベンゾジアゼピンが潜在的に悪性症候群に効いている(1) | kyupinの日記 気が向けば更新

ベンゾジアゼピンが潜在的に悪性症候群に効いている(1)

今回の1つの大きなテーマに沿って話を進める予定であり、今回はイントロ的なエントリである。(1つの記事が長くなると読みにくいと思うため。連続ではアップしないつもり)

ベンゾジアゼピンは悪性症候群に治療的な薬物であり、抗精神病薬服用中は併用することで予防的に働いているように見える。

だから、急激なベンゾジアゼピンの中断は悪性症候群のリスクファクターである。

アキネトンなどの抗パーキンソン薬の急な中断による悪性症候群もこれと同じメカニズムかもしれない。

おそらく悪性症候群はカタトニアの亜型なので、その治療法や治療薬もこれと関係が深いように思われる。

カタトニアに対し、最も効果の高い治療法はECTである。

内服薬では、かつてはフェノバールなどのバルビツレートが推奨されていた。しかし現代社会ではベンゾジアゼピンであろう。バルビツレートに比べ、ベンゾジアゼピンの方がずっと扱いやすい上に安全だからである。

海外では高用量のワイパックスが推奨されている(6~12mg/日)。

このようなことを考えていくと、なぜベゲタミンが神の薬なのかがなんとなく理解できる。

あのベゲタミンにはフェノバールが入っているため、抗カタトニア作用を持ちあわせているからである。更に、コントミンが入っているため完璧である。(もちろん、ベゲタミンにはいろいろ欠点もある)

ずっと入院しているようなレベルの統合失調症の人で、緊張病症候群を生じやすい人にベゲタミンAなりBを日中に追加すると全般が落ちつくのはよく診る。

また、他の薬を整理できることもわりあい理論的に理解できるのであった。

参考
リスパダール液による体重増加について
悪性症候群のテーマ