うつ状態に最初に選択される薬はジェイゾロフトらしい | kyupinの日記 気が向けば更新

うつ状態に最初に選択される薬はジェイゾロフトらしい

現在、うつ状態に最初に選択される薬はジェイゾロフトという話(頻度として)。

パキシルは桁違いに使われていることもあり、離脱が多いだの催奇形性だの、いろいろニュースが出るため、最近はジェイゾロフトが選ばれているのであろう。

ジェイゾロフトとパキシルではまだ売り上げに相当な差があるが、何年かするとジェイゾロフトとパキシルの売り上げ比は変化してくるかもしれない。

うちの病院で数年前にパキシルを処方され、今はすっかり落ち着いている人は(今も通院中の人)、

① そのままパキシルが処方されている。
② ジェイゾロフトに変更している。
③ 他の抗うつ剤に変更(デプロメール、3環系、4環系)。
④ 抗うつ剤を止めてしまった。


のどれかだが、若い女性でSSRIが望ましい人たちはジェイゾロフトに変更して経過が良い人が多い(過去ログ参照)。

無理して変更せず、パキシルのままの人たちは嘘みたいに落ち着いており、SSRIを飲んでいるようには見えないほど。自覚する副作用もほとんどない。量は10mgか20㎎だが、割合は五分五分か、やや10㎎が多いくらい。30㎎以上は皆無である。(1名だけ25㎎の人がいる)

ところが、ジェイゾロフトは全然違う。ジェイゾロフトは12.5㎎が意外に多い(数名だが)。僕はジェイゾロフトを75㎎以上使うことはほとんどない。少なくとも今は1名もいない。50㎎はたまにいるといったところ(たぶん1~2名くらい)。

ジェイゾロフトは25㎎1錠というのが多いが、ジェイゾロフト自体をたいして処方していないため、処方箋数としてはそう増えてはいない。だからパキシルに換算すると、いつも10㎎か、たまに5㎎だけ処方している感じだ。

ただ、これは額面どおり受け取れない。例えば以下のように、

ジェイゾロフト 12.5㎎
アンプリット  25㎎
ワイパックス  1㎎


とか
パキシル    10㎎
アナフラニール 50㎎
ソラナックス  0.8㎎


のような変な処方もある。SSRIのみを使わず、やや種々のレセプターに分散させているといった感じの処方である。(移行の時以外はSSRIは同時に2剤使わない。)ジェイゾロフト12.5㎎単剤というのは少なく、漢方薬やベンゾジアゼピンの組み合わせなどもある。

ジェイゾロフトやパキシルだけ処方する場合と、上のように3環系を併せて処方する場合の相違だが、SSRIだけだとなんだか精神がむき出しのように見えるとか、どうもギクシャクする感じになるのが嫌というのが1つ。(よく考えると、そうでもない人も結構いる)

また、SSRIだけ処方されているような患者さんが転院してきて、それを漸減しつつ他の薬を追加していて途中で十分良くなったため、もう変更を止めてしまったというのもある(本人の希望もあり)。

単剤で治療するという強迫みたいなものが欠如しており、人によって処方が全く異なる。まとまらない処方なのであった。

薬物治療は対症療法なのでアナログ的なのである。あくまで良く言えばだが。