Easter(Patti Smith) | kyupinの日記 気が向けば更新

Easter(Patti Smith)

kyupinの日記 気が向けば更新 (精神科医のブログ)

イースターはキリストが十字架で亡くなった3日後に復活したことを記念するお祭りであり、欧米では祝日になっている。僕は無宗教であるが、なぜかそういうキリスト教にちなんだ日に患者さんがプレゼントをくれることがある。

上の写真は黄色い紙に包まれた卵である。僕はそういう習慣があることは生まれて初めて知った。

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中を開けるとこんな風に手書きで書かれている。たぶん聖書からの言葉であろう。これってイースター・エッグと言うのでしょうか?

イースターといえば、同じ名前のパティ・スミスのアルバムがある。パティ・スミスといっても、知らない人が多いと思う。彼女は「パンクの女王」と称され、多くのミュージシャンからリスペクトされるような偉大な女性なのである。

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紙ジャケのイースターを一緒に並べてみた。パティ・スミスは1946年シカゴの貧しい労働者の娘として出生している。病気がちであったが、ハイスクール時代に詩人ランボーに目覚め、詩作や絵画を始めたという。当時から、ボブ・ディランやストーンズなどのロックに夢中になった。

大学時代に未婚の母になるが、生活のため里子に出し、フィラデルフィアで女工として働いていた時期もある。その後、1967年ほとんど無一文の状態でニューヨークに移住。当初は本屋の店員として働き、新進写真家ロバート・メイプルソープと同棲を始めている。当時から、詩作、絵画、演劇などの創作活動をしていたが、いろいろなことをしているうちに自らの音楽の才能に気付くのである。(元々はミュージシャンに憧れるファンの方であった)1972年にパティ・スミス・グループを結成し、1975年に「ホーセス」でデビューしている。このホーセスのアルバムジャケットはかなり有名。

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Horses(デビューアルバム。ジャケットの撮影はロバート・メイプルソープによる)

現在もう60歳を越えているが、最近でもライブをやっているようなパワフルな女性である。


Because the Night(Patti Smith)イースターにはこの名曲が収められている。(スタジオ録音盤)(海賊盤っぽいライブ

彼女は結婚のため1度引退。その後、夫が亡くなり再びミュージックシーンに復帰する。僕は、その復活以後にむしろ名盤が多いと思う。

オリジナルアルバム
Horses (1975年)
Radio Ethiopia (1976年)
Easter (1978年)
Wave (1979年)
Dream Of Life (1988年)
Gone Again (1996年)
Peace And Noise (1997年)
Gung Ho (2000年)
Trampin' (2004年)


上では、2004年のTrampin' 以外のアルバムはすべて持っている。個人的には、Gung Hoが好きだが、これは良くないというアルバムはない。女性なら、Waveも結構良いのではないかと思う。Frederick が収録されているからである。このFrederick は夫のことを歌っている素晴らしいラブソングだ。


Frederick(Patti Smith)Waveに収録。(スタジオ録音盤)

彼女はFrederickでは可愛らしい歌い方をしているが、他の楽曲はもう少し違った歌い方をしている。ある時は詩を朗読するように重い歌い方であったり、あるいはルーズな歌い方であったりする。どの曲もスピリットを込めて歌い上げるといった感じだ。うーん、うまく表現できない。


Lo and Beholden(Patti Smith)Gung Hoから。このアルバムでは彼女の大ファンと公言するマイケル・スタイプがバッキング・ボーカルとして参加している。


China Bird(Patti Smith)これもGung Hoから。このアルバムジャケットの写真は彼女の父親である。


Glitter In Their Eyes(Patti Smith)これもGung Hoから。このアルバムで最もロックっぽい楽曲である。そういう主旨で入れられているらしい。


1959(Patti Smith)これはPeace and Noiseに収録。少し画像が悪いが、名曲には変わりがない。


E-Bow the Letter(R.E.M.)

上のE-Bow the LetterはR.E.M.の「New Adventures in Hi-Fi」に収録されている。個人的にR.E.M.の空前絶後と言って良いほどの名曲と思う。このライブ映像ではパティ・スミスと一緒のためか、少しマイケル・スタイプは上がっているというか、遠慮気味である。この楽曲のマイケル・スタイプはまるでボブ・ディランのようだ。(特にスタジオ録音盤はそんな感じ)

パティ・スミスは最初のらりくらりと言った感じで歌い始めるが、後半は魂を込めたような迫力で歌い上げている。あれは誰にも真似が出来ない。

R.E.M.のギタリスト、ピーター・バックは、自分の作曲した楽曲をパティスミスが歌ってくれているのを目の前にし、感動のあまり寿命が10年縮んでもかまわないとすら思ったという。