エビリファイと恋愛感情 | kyupinの日記 気が向けば更新

エビリファイと恋愛感情

前から思っていたんだけど、エビリファイは過去に性的な問題があった人たちは良くないね。たぶんこんな人もあまりいないと思うのだが、統合失調症で過去に婦女暴行で捕まったような人にはエビリファイは合わない。下手をすると再び事件が起こりかねない。

うちの病院でもう長く入院している患者さんだが、ある時、エビリファイ主体にしてみた。9~12mg処方していたんだけど、やがて性的に浮ついたような感じになり、20歳くらいの若い看護助手の胸を触るという事件が起こった。おまけに悪びれず、「気持ち良かったですか?」なんて聞いている。

その患者さんは、そこまで崩れているような人ではなかった。しかし、ずっと昔、発病頃に婦女暴行事件で逮捕されているんだな。近年はずいぶん良くなったので退院させて共同住居に入所させようかと思っていた。

結局、その人はエビリファイを中止している。今はセレネース6mg、ロドピン100mg、リーマス800mgくらいの処方になっているが、この方が病棟生活では平穏にみえる。この処方にしてからも、しばらく性的な面でしばらく不穏だったが、少しずつ落ち着いてきている。

エビリファイは性機能の副作用があまりないのがメリットだが、こういう人たちには良くないのだ。

他の患者さんで、やはり窃盗歴がある統合失調症の患者さんだけど、エビリファイを6mgだけ併用で使ったところ、ある日、病棟の屋上を蝶のように舞っていた。なんと、屋上から女性用の風呂の窓まで行って、中をのぞき見していたのである。しかし本人に聞いたら、湯気と角度が悪くて全然見えなかったと言う。

これって、一般社会では明らかに犯罪。もともと触法性のある人はこんな時に、セーブが効きにくいみたい。

他にも、ある女性職員にやたら恋愛感情を抱くようになった患者さんがいる。この人の場合、元々そういう傾向はあったのだが、言うことが激しいのだ。すぐに結婚したいとか、明日からでも働きますとか。エビリファイは回春作用があるのかもしれないね。

薬物療法は予想外の有害作用が出ることがあり、ちょうどピッタリにならないから難しい。