アモキサンとルジオミール再考 | kyupinの日記 気が向けば更新

アモキサンとルジオミール再考

このブログでSSRI発売以前は、東日本ではアモキサンが、西日本ではルジオミールが最も処方されていたと書いたことがある。この2つは旧来の抗うつ剤の中では効果がしっかりとしていると言えた。僕は、この処方の地域差は製薬会社の営業の差であろうと思っていた。しかし最近になって、全く違うことが原因ではないかと思うようになった。

一般に、アモキサンやノリトレンはアップ系の抗うつ剤で、躁転も来たしやすい。それに対し、ルジオミールは抗うつ作用は十分であるが、いくらか鎮静系で人によれば眠くて続けられない抗うつ剤である。今では、この効果の発現の違いが地域差に反映しているような気がしている。

僕はスポーツを観るのが好きで、特にサッカーは毎週、何試合も観ている。時にはスタジアムに出かけて観ることもある。サッカー選手に限らずスポーツ選手全般に、大きな怪我をした時のその後の経過がどの地方出身かで違っているように思う。

特に北日本の選手は、選手生命にかかわる大怪我をしたような時、うちひしがれてしばしば選手生命が終わってしまう。精神的に立ち直りが効かないのである。それに比べ南あるいは西日本の選手は、大怪我をした時、驚異的な回復を遂げ現役復帰するのをよく聞く。つまり南や西日本の人は、ある意味、開き直れるというか、裸一貫でやり直せる気質を持ち合わせているのかもしれない。

これは気候にも関係しているように思う。南あるいは西日本の人はすべてを失っても滅多に凍死しない。また飢え死にすることも稀なような気がする。これがけっこう大きいような・・

普通、天候といえば、すぐに北日本の特性が語られるが、実は逆だ。たぶん、南の天候がプラスなんだろう。

普通、北日本、特に日本海側の人たちは日照時間が少なく、季節性のうつ病も発生しやすく、それが自殺率に関係しているように書かれている書物もある。もちろんそれもあるのであろうが。雪が多いことと、緯度的に白夜に近い環境の北欧とは全然違うような気がしている。日本の場合、何ヶ月も快晴がないなんてことはないし、曇りでも北欧のそれと意味が違う。

10万人対の自殺数を県別で検索してみた。平成15年の資料で全国では25人程度である。これをみると、近畿~中部地方の人々のノーテンキさがよくわかると言うか・・お笑いの土壌の関係もあるかも?

それと関東もけっこう自殺率が低いんだね。ちょっと意外だった。普通、統合失調症は、100万都市以上では発生頻度が上昇するといわれている。まあ統合失調症の人だけが自殺するわけではないけど、人口集積している場所は自殺率が高まっているような錯覚がある。まあ、のべの自殺数はとてつもなく多いのだろうが。分母が大きいわけで。

九州は意外に自殺が多めなのは、経済的理由が大きいと思われる。壮年期男性の自殺は経済的なものが多い。つまりうつ状態になる原因が多いのである。全般にみると明らかに北日本は自殺率が高い。

このように見ていくと、うつ病になったら、北日本の人はアモキサンくらい使わないとうつ状態が回復しないのかもしれない。アモキサンくらいのスーパーパワーのアップ系でないと。それに対し西日本の人は、アモキサンまで使わなくても、ルジオミールで十分であったという見方もできる。

自殺数・人口10万人対(平成15年)

全国 25.5

北海道 27.1
青森 39.5
岩手 37.8
宮城 26.3
秋田 44.6

山形 30.2
福島 27.9
茨城 25.3
栃木 26.3
群馬 28.1

埼玉 22.5
千葉 22.3
東京 22.7
神奈川 20.9
新潟 34

富山 32.1
石川 25.8
福井 30.1
山梨 25.5
長野 26.4

岐阜 26.3
静岡 21.1
愛知 22.3
三重 24.9
滋賀 24.5

京都 23.2
大阪 25.3
兵庫 23.3
奈良 20.7
和歌山 25.8

鳥取 23.9
島根 31.6
岡山 20.5
広島 22.8
山口 27.5

徳島 20.3
香川 22.3
愛媛 26.7
高知 29.4

福岡 26.9
佐賀 24.9
長崎 30
熊本 26.9
大分 25.5
宮崎 31.8

鹿児島 27.2
沖縄 26.1