セレネース液とリスパダール液 | kyupinの日記 気が向けば更新

セレネース液とリスパダール液

セレネース液とリスパダール液の2つは、利便性がよいので良く処方されていると思う。うちの病院の場合、前者の方が処方数が多い。リスパダールはなるだけ錠剤か細粒で処方するようにしているのもある。あと薬価が異常に高く、その面でリスパダール液は処方しにくい。

この2つの液剤はともに、他の剤型より副作用が少なくしかも即効性がある。リスパダールの方がセレネース液より副作用がより少ないが、少量だとそこまでの相違がない。リスパダールは治療上の失敗がセレネース液よりずっと多いのでどちらが優れているかは微妙だ(リスパダールが当たって保護室に数ヶ月とかそういうのがセレネース液にはほとんどないという意味)。

セレネース液の特性で、躁状態を速やかに鎮静化させる効果があり、その面でメリットがあるが(錠剤とはちょっと違った効果)、リスパダールはほとんど錠剤の延長線上にある。

味だけど、セレネース液はほぼ無味無臭なので、とりあえず患者さんに内緒で処方してもわからない。昔は(今でもあるかもしれないが)患者さんの家族がセレネース液だけ取りに来て、ずっとご飯にかけて本人に服用させていたなんてことがあった。ご飯にかけても全くわからないほどの味なのである。お味噌汁に入れた場合は、全量摂らない場合があるのでご飯の方が良いのである

それに対し、リスパダールの味付けはかなりしくじっている。これはちょっと苦いが、ヤンセンに言わせると、あれはグレープフルーツの味付けなんだという。これは相当に苦しい。まあよくもまあ、グレープフルーツの味にしようなんてことが思いついたものだと思う。

リスパダール液は、グレープフルーツの味付けを失敗した味付けになっているのである。