向精神薬の1日の服薬回数 | kyupinの日記 気が向けば更新

向精神薬の1日の服薬回数

セロクエルは、剤型は25mgと100mgがあるが、たぶん失敗していると思う。セロクエルは剤型は50mgと200mgが良かった。錠剤に割線が入れられておればなお良し。なぜかというと、セロクエルは600mgまで処方する人があんがい多いからだ。今時、単剤なのに1日6錠服用しないといけないのはお粗末過ぎる。

うちの病院ではセロクエルの処方量は2相性になっており、少ない量と上限が多く真ん中の用量がわりと少なくなっている。これはセロクエルはせん妄などの効果が期待できるため、老人に少量処方する場合があることもある。セロクエルはあまりに副作用が少ないため、同じ人でも適切と思われる用量を決めにくい欠点がある。しかし、極端にセロクエルに弱い人がいて、こういう人はわかりやすい。増やしていくうちにそれ以上は服用できなくなるから。うちの病院では比較的若い統合失調症の患者さんで、セロクエル20mgを細粒で処方している人が2名くらいいる。

僕は単剤治療の場合、1回投与が好きなのである。ルーランやセロクエルはメーカーは1日1回処方は推奨していない。しかしこのように比較的半減期が短い薬物でも、1日1回処方でも十分コントロールできることの方が多い。このように少ない回数しか処方しない理由は、1日の服用回数が増えると、コンプライアンスがかえって悪くなり、考えていた用量が入らないように思っていることがある。

特に働いている患者さんの場合、できるだけ昼食時の処方は避ける。お昼に薬があると、学校や職場の人に見られてしまうとか、あるいはそれを見られないために服薬の時間がずれたり、あるいは服用できなくなることを僕は気にしている。できるだけ、服薬するストレスを避けたいのだ。できれば、1日夕方1回処方。エビリファイなら1日朝1回。悪くても朝、夕2回処方にしたいのである。

僕は14歳頃から5年間くらい服薬していたが、ある時、どこかでお昼に服薬した時、お店のおばちゃんに、若いのに薬を飲んでいったい何の病気なのか聞かれたことがある。その上、「かわいそうに」とか言われてしまった。僕は当時、服薬に関して全然気にしていなかったので、周りからそのように思われるのが意外に感じた。普通の人はそんな風に思うんだとか。とりわけ、かわいそうに、などと言われなくても・・と思ったのである。