ワタシとエステ
体が疲れるという意識を始めてしたのは、20代の半ばくらいだろうか。
肩こりから始まって、首の重さ、そして腰の痛さもだんだん加わった。
どう対処したかといえば、低周波治療器を買ったり、1人で肩や背中のツボを押さえられるハンドマッサージ器などを使って、なんとか疲れを取っていた。
整体治療院とか、鍼灸院などの存在は知っていたが、まったく行く気はしなかった。
白衣を着た、どちらかというと医療行為的な、薬の匂いが漂うような敷居の高い場所という気がした。
ワタシが始めてマッサージというものを、お金を払って他人にしてもらったのは、30代に入ってから。
結婚をしたが、だんだん相手との気持ちのズレを感じ、悶々としていた頃、仕事場にかかってきた電話がきっかけだった。
メンズエステというジャンルの、男性向けの美容エステの勧誘電話で、体のケアとか脱毛のコースの無料体験をしてみないか、というもので、日頃からヒゲの濃さが気になっていて、毎朝のヒゲ剃りを面倒に思っていたので、脱毛の体験コースを受けてみる気になり、そこでまんまと相手の口車に乗せられて脱毛コースとリラックスコースの契約をしてしまった。
脱毛をまず受けて、次に体のマッサージをするというもので、手で全身をマッサージされ、最後にビニールシートに包まれて汗をかいて体の老廃物を出すというものだった。
最初のうちは、ベテランのエステシャンの手による指圧とオイルマッサージを受けて、なるほどマッサージというものは気持ちの良いものだ、体の疲れが取れてサッパリする。
体に溜まった老廃物がオイルマッサージによって流れていく。
そう感じていたが、人によって上手だったり上手ではなかったりとバラつきが出る事が多くなり、だんだんと人の手によるマッサージから機械を使ったマッサージへと切り替わり、それに伴った高いコースを勧められるようになっていった。
可愛い女性のセールストークに気の弱いワタシは断れずにいくつか契約してしまったが、いくら体に良いとは分かっていても、機械でマッサージしてもらうという行為は手による癒し効果が無いぶん、それほど気持ちよくリラックス出来るものではなく、色々と高い商品を買うように薦められたり別のコースを契約するように勧められたりするのが苦痛になり、そこへは行く事は止めた。
実は、止める前に離婚を経験し、それがきっかけの1つとなり、アジアンエステというのが有るというのを知る事になるのだが、それについては近く書く事にしよう。