鬱勃の闇に葬らん | 無精庵徒然草

無精庵徒然草

無聊をかこつ生活に憧れてるので、タイトルが無聊庵にしたい…けど、当面は従前通り「無精庵徒然草」とします。なんでも日記サイトです。08年、富山に帰郷。富山情報が増える…はず。

蝋燭の灯りに照らされ浮かび上がる光景、それは……。



鸚鵡は彌撤の声をあげず、鷦鷯は囀りを忘れ、麒麟は糠の寝床で微睡み、櫃の中で蝙蝠が蟷螂を貪る乾いた音だけが響く。


無精庵徒然草 微動だにせぬ鞦韆に居座る髑髏の目から躑躅の花が。

藪の中の明礬の岩に隠れ、酸漿の目を輝かせて密かに眺める顎のない轆轤首。


錫と燐とが交合し始め、砒素に酔った鶺鴒が喚きだし、鸚哥は硫黄に噎せる。


蟒蛇を貪りつくした鮟鱇は陶然として去り行くのみ。


憂愁の臥所に襤褸布をそっと被せて、全てを鬱勃の闇に葬らん。



                          (「鬱勃の闇」(2010/04/12 )より)



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