先日、プライベートセッションを終えてノートを閉じたら、クライアントさんが
不思議そうな顔で、こう言いました。

「私の話って、とりとめなかったですよね? しかも、なんていうか、問題も
かなり散らかっていましたよね? それを、どうして、整理してスッキリ落とし
こめるんですか。なんか、きちんと収納できた感じがして、すごく不思議です」

そのときは「それが、私の仕事ですから」と、ニッコリしたのですが、最近よく
ご質問をいただくので、あらためて、整理の順番について考えてみました。
状況によって変わることもあるので、基本の流れですが

1、最初に、全体像をつかむ
事前に得た情報(個人の方ならご相談メール、事業者さんだと提供された
数値や事業の概要など)をもとに、何が問題なのかを大まかに把握する。

2、基本の不明点をクリアにする
1だけではわからないところや、情報をもとに生まれた疑問について、尋ね、
基本の理解を補強する。前提や課題設定が間違っていると、このあとがす
べてずれるので、自分の理解があっているかを確認しつつ、要点を整理。
*ここがそもそもグラグラしている場合は、時間にもよりますが、丁寧に確認
を重ねてかためます。

3、ゴールや一番大事なことを意識しながら、要素を区分けする
大体、2までのところで、何が問題で、それをどうしたいか(例:今の仕事が嫌
で転職を考えているなど)がハッキリするので、解決に向けて大事なことを
見つけて束ねていきます。途中、大事ではないこと、基本とずれることがでて
きたら、脇によけたり、質問をして省いたりします。たとえば、

クライアントさん

「私、転職したくて、○○と△△の資格を取ろうと思っているんです」


→ 「(ここまでの整理で)転職の目的は・・・で、目指す業界は・・・のはずです。
   その業界では、○○も△△も役立つのでしょうか?」

「あ! ○○は確かに役立ちますが、△△はどちらかというと今の仕事に使う
資格なのかも」
→ 「今の職場でスキルアップしつつ、さらに転職先でもということでダブルで
   取得を目指すということなら、両方というのも理解できますが」

「いいえ。転職のためだけにお金と時間を使うつもりです。すると、△△はいら
ないですね。そっかー」

のように会話を重ねます。こうして書くと、1人でも気付けそうな単純なことなの
ですが、目の前のことに気をとられたり、悩みがこまごまとたくさんあったりする
と、案外、自分では整理しきれなくなってしまうものです。「さきほどは○○と
おっしゃっていましたが、××では、そこにずれが生じます。どちらがメインです
か?」、「△△は確かに素晴らしいスキルですが、□□をアピールするために
適したものではありません。全部盛り込むとプロフィールがブレるので、一度
抜くのはいかがでしょう」のように、質問や提案をしつつ、お互いが同じレベルの
理解で前に進めるように舵取りをします。

クライアントさんがどこを見ていようと、何に気をとられていようと、私の役割は
目的やゴールをしっかりととらえることです。無理にどこかに連れて行く、という
ことはしませんが、クライアントさんが望む進路を見極め、会話を重ねながら、クラ
イアントさんがすっきり前に進めるようお手伝いをする、という感覚です。

まずは、大きいこと、大事なこと、基本的なことから。そこから少しずつ散らばった
要素を整理して収斂していくと、しっかりまとまりますよ。こまかいこと、目の前に
あること、できることなどにとらわれると迷子になるので、注意が必要です。


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