忙しさを悟らせない | 小林雄次の星座泥棒

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藤川桂介先生の寄稿文、

『「セブン暗殺計画」誕生の背景』が掲載されています。


執筆当時の状況や苦心が綴られているのですが、

藤川先生の仕事に対する姿勢を垣間見ることができます。


当時はセブン以外にも抱えている仕事が複数あって、

ものすごく多忙な状況下で、ハイレベルなシナリオ作りに挑んだのだけど、

そのことを誰にも悟られないように努めていたそうです。


どの仕事場に打ち合わせに行っても、忙しい素振りは見せず、

プロデューサーや編集者が満足するまで

打ち合わせや雑談に延々と付き合っていた。


結果的に書く時間が減って、睡眠時間を削るしかなかったけど、

それが仕事を発注してくれた人に対するエチケットだと

思っていたからだそうです。


実際に藤川先生にお会いして、二度に渡って対談する中で、

それは藤川先生そのものの

人間的魅力でもあるのだと実感しました。


忙しい人が(あるいは、忙しくもない人が)、

忙しさをアピールするケースはよくあります。


が、それは自分の都合に過ぎないわけで、

“忙しさアピール”は決して良い効果はありません。

わかっていても、なかなかできることではありませんが、

見習いたいと思います。